バッケンレコード2010/01/12 03:31

11日、葛西紀明選手が大倉山で145メートルをマークした。スゴい記録だ。それでもまだ、世界の頂点へは課題もあるのだという。見ているところは五輪出場回数とか、代表内定とか、そんなものではない。■世界を知る岡部孝信選手にとってもそれは同じだ。代表を巡る取材に対して苛立ちさえみせるのは、その見つめる先と繰り返される問答が噛み合ないからなのではないだろうか。五輪に出るのが目標ではない。世界の奴らをやっつけるには手負いの身でどう戦うのか。決戦の場に間に合うのか。正直、不安とも戦っているはずなのだ。■「今まで通り、やるべきことをやるだけ、間に合うのか、やりたいことをやれるのか、自信はない、しかしやるしかない」。報道陣に対してイラっとした岡部選手だったが、決して理由なく無愛想なわけではないのだ。14歳、中学2年の佐藤幸椰との対戦後には「絶対に負けられない、スゴいプレッシャーだった」とインタビューに答え会場を笑わせた。■ジャンプの怖さも、面白さも、楽しさも知っている39歳。残り1月。本気モードに入っているのだ、きっと。今のままでは、まだダメだ、やることがありすぎると必死なのかもしれない。それだけ厳格に自己の力を計っているからこそ、世界で闘い続けることができるのだろう。