Qちゃんの助言2011/07/02 23:01

「また、みなさんにお会いすることができとても嬉しく思っています」。札幌国際ハーフマラソン(3日、札幌円山競技場発着)の記者会見が2日、札幌市内のホテルで行われたが、女子招待選手の原裕美子選手はそう話し始めた。◇栃木、宇都宮文星女子高校時代から日本選手権女子1万メートルで入賞するなど早くから注目を集め、京セラ時代には名古屋、大阪の2つの国際女子マラソン優勝。2度、日本代表として世界選手権のマラソンを走った大器。だが、同時にハードパンチャーのボクサーが自らの拳を痛めるように、ケガにも悩まされてきた。◇京セラを離れ、その後、ひとりで練習していたが、まだ走り続けたいという気持ちを汲んでくれた周囲の支えで小出義雄氏を紹介された。もう1度走り始めたのが去年だった。そして、まだ復調途上、秋冬のレースにつながればと臨んだ北海道マラソンで見事な復活劇を演じた。去年8月のことだった。高温多湿でタイムこそのびなかったが、世界に通じる力を印象づけた。◇2011テグ世界選手権、2012ロンドン五輪に名乗りを上げたかに見えたが、不運が待っていた。左膝に痛みが出た。その上、凍った道に足を取られ、転倒。強打し痛みは増した。予定していた世界選手権選考レースの大阪を欠場。横浜、名古屋にも間に合わなかった。◇練習を再開したのは5月だという。この日の会見で見た感じではまだ試合には間に合っていないようなのだが、何度も乗り越えてきた、何度も演じてきた復活劇の舞台そでにはついたようだ。◇小出門下に入り、世界を目指す気持ちは強く、明確になったという。会見後、高橋尚子さんが原に声をかけた。「1年あるよ。私も世界選手権を走れなかったのだから」。經靭帯炎で世界選手権マラソンを断念した1999年のことを伝えた。1999年とは高橋さんがシドニーオリンピックで金メダルを獲得する前年のことである。