2011北海道マラソン⑤2011/09/11 00:20

今年の北海道マラソンが終了して2週間になりますが、まだまだ四方山話は続きます。全然、上位入賞した選手の話が出てきませんね・・・。優勝した森本友(天満屋)、2位の嶋原清子(セカンドウインドAC)、3位渋井陽子(三井住友海上)、そして、吉田香織(アミノバイタルAC)の各選手。では、今回は・・・。とその前に別のお話を。■北海道マラソンは今年で25回目。最初の3年は道内放送、そして90年から全国放送になりました。その年、男子は現在天満屋のコーチをしている篠原太(神戸製鋼、当時)選手が大逆転で優勝しました。世界選手権東京大会の前年のことでした。私が放送のスタッフに入ったのはその翌年から、以来約20年にもなります。放送の準備の中でレースの展開や優勝予想は重要な要素です。それによって番組の構成や話の展開などをいくつか組み立てておきます。■長く「予想」「予測」をやっていると、理屈ではない「勘」が働くようになります。なんとなくこの選手かな?という「臭い」がするのです。98年に山口衛里選手が優勝したときは凄く顔色が良いなと、直感が働きました。97年と03年の2度に渡って優勝している田中千洋(旧性、小倉)選手のときのように「予想外」「驚き」のレースを何度も見てきたのも「嗅覚」を鍛えることになっているのかもしれません。■ところが今年の女子は優勝者が浮かび上がってこなかったのです。実績から言えば土佐礼子、渋井陽子、嶋原清子、原裕美子、森本友・・・。と候補者が指折り上がってくるのですが、取材をしていると状況が分かります。それぞれに何らかの課題を抱えていて「今年の8 月28日の時点」ではどうなのかなと、頭の中でのシミュレーションに焦点があってこないのです。■そんな中で思い出されるのが前出の97年、03年の田中千洋選手の優勝でした。当時、海外招待選手や実業団所属の選手がいて、そうした有力選手の内のだれか優勝するだろうと思っていたのですが、いずれも実力者が失速していきました。特に03年は練習不足が伝えられたいた選手が30キロ付近で抜け出しました。大会記録も持っていた選手でしたし、抜け出すタイミングも絶妙でしたので「さすが、モノが違うな」と一度は感心し、優勝で決まりと考え始めました。ところが39キロ付近から燃料切れを起こし1キロ4分以上もかかるペースダウン。逆転劇が起きました。■田中選手は一般参加ながら今年もエントリーしていました。スタッフは「じゃあ、今年も田中千洋ですか!?」と聞いてきます。「いや、さすがにそれはない。それはないが有力選手の誰かだろうと過信してはいけない」と応えました。■田中選手は赤羽有紀子選手に破られるまで経産婦の日本記録を持っていて、ママさんランナーとして最初にテレビ中継される全国規模のマラソン大会で優勝した選手です。41歳。小鴨由水さん、山本佳子さんらと同世代で、証券会社でOLをしていたころ小鴨さんのオリンピック代表入りなどに刺激を受け市民ランナーながら競技会に出場、北海道マラソンの優勝の他にも名古屋国際女子、大阪国際女子などでも入賞を果たしています。失礼ながら「さすがにない」と断言しましたが、今年も10位に入っています・・・恐れ入ります。■話がそれましたが、大会前日、この人の優勝もあるよと私がスタッフにつぶやいた選手がいました。今回は少し長くなってしまったので・・・それは次回また。