「続き」をやる2011/10/29 07:17

そういえばテグ後初だった。陸上の世界選手権で女子100m、200mで準決勝進出を果たした福島千里選手が関東圏で試合など公の場に姿を現す機会のこと。日本選手権リレーの予選後の記者囲みで、テグ後の様子や今オフ、来年に向けての質問までが次々に出て気がついた。■世界選手権に出場した福島選手は閉幕した9月4日の翌日、成田経由で新千歳に戻り、9月は所属する北海道ハイテクACの母体、北海道ハイテクノロジー専門学校の学校説明会、日本陸連のキッズ・アスリートプロジェクトのデモンストレーション、講師など試合以外の活動も行いないながらほぼ通常のスケジュールで練習を継続。数日間の休日で一時帰省もしたが、10月の山口国体、日本選手権リレーに備えた。■山口国体は100メートル3本(10月8日)、リレーの予選(9日)、決勝(10日)を走った。帰国後初のレースであったが、この時の取材陣は陸上専門誌やライターの方はともかく、全国紙スポーツ紙の取材は関西圏、または九州・中国地区の記者が担当したのだろう。オリンピック担当の関東の記者は世界体操が開催されていたこともあり、国体の取材で山口県に行くことはなかったはずだ。■世界選手権が今季最大の目標だった。当然、気持ちの張りや追いつめる度合いなどに変化はあるだろうが、スピードに関しては年間を通じて「研ぎすませておく」という中村宏之監督の指導理念もある。ともするとモチベーションが落ちがちなシーズン終盤の試合にも「狙いは記録更新(国体)」とか「やるからにはしっかり、遊びではない(日本選手権リレー)」と緊張感を持って臨んでいる。■28日は秋晴れの気持ちの良い日だった。スタンドなど覆いのないサブトラックには秋の日差しが強く注がれていた。福島選手は仁井コーチ兼任選手と一緒にスピード感溢れるウインドスプリントを数本。地元北海道ではアウトドアで暖かな日差しを浴びて走る季節は終わっている。■リレー4走で巨大なスタンドの影の中を走り終えた福島選手は調子、走り自体については「悪くない」と話したが「気持ち良さ」については首を傾げた。「まだ決勝が残っているので直すところを直して、チーム全体の目標が優勝なので達成できるように」と今季ラスト1本に気持ちを注ぐ。■このあとのオフやロンドンのある来季について聞かれても、今は何も答えられない。新しいこと、発表できることもない、今季が終わって考えるというより、2008年の始めに日本のトップを意識し始めて、その年、北京に連れて行ってもらって、2009年の初めての世界陸上、去年のヨーロッパ遠征、今年のテグもそうだが、いくつもの経験を重ねて、それを次ぎにつなげる。ずっと前からやってきたし、このあとも続く。良かったことも、嬉しくなかったことも、全てを糧にして進んでいくだけ。・・・ということなのだろう。【高校新】画像は本文と関係ないけれど、28日の日本選手権男子400mリレーで誕生した高校記録。東京高校のみなさん。