心は熱く、頭はクールに2012/01/28 02:39

思いが強ければ強いほど、熱が入るモノだがあまり早く熱くなってはいけない。のんびり、のんびり、何があっても大きく構えていきましょう。■競馬用語で「かかってしまう」とか「かかる」という言葉がる。まだレースの勝負どころではないのに、ウマが行く気になって勝手にペースを上げてしまうようなケースをそう言う。通常、騎手は「まだだ」となだめ、ペースを押さえようとする。手綱を引いたり、鐙を踏み込んだり・・・結果、ウマの気持ちと騎手の御したい思いが合わない「折り合いを欠く」状況に。レース中にこういうことがあると、なかなか好結果に結びつかない。カッとなってしまうと最後までもたない。興奮気味のことを言う「いれこみ」「いれこむ」と「かかって」しまうことが多い。■騎手とウマがコンビを組む競馬での話だが、実は一人の人間の中でも「かかって」しまったり、「折り合いを欠いて」しまったりすることがある。体があったまってくると、ついつい気持ちとは裏腹に体が先に行きたがる。頭の中で「ヤバい、ヤバい」と思いながら、はやる気持ちを抑えようとするとか・・・。そうなっちゃったなら仕方ない・・・と状況に身をまかすか、いろいろだろう。■29日に大阪国際女子マラソンが行われる。スピードタイプのランナーは着火が早くなりすぎてしまうことがある。福士選手に関してもあえて心配な点をあげるとするとその点か。あとはテレビ画面を通じてみると足が若干、細く感じる。体の芯にどれだけ「気」「エネルギー」が蓄えられているのか・・・その点を注目してみたい。

半年前2012/01/28 03:16

去年7月24日に福士加代子を直に見た。士別ハーフマラソンに出場していた。宿舎からアップがてらさっと来て、フィニッシュ後は更に俊敏にサッと引き上げていった。世界選手権に出場する選手も何人かいて、テグ事前取材に来ていたライターもいた。「福士選手に少し話を聞きたいね」という希望があったが、その余地はなかった。■士別は合宿の里として知られている。ハーフマラソンも合宿の練習メニューに取り入れて走るケースもある。この日は、優勝争いを演じるトップグループは5キロ17分のペースで進んでいた。福士は・・・とみると始めから先頭集団にいない。おそらく18分の設定だろう。天満屋の中村や森本のいるグループで走っていた。設定が違うから先頭と福士のいるグループは距離が進めば進むほど、時間が経過すればするほど、先頭集団から離れていった。■先頭集団には今回の大阪にも出場する重友もいた。ロンドンでなまじマラソンを走っていてそのタイムが返ってカモフラージュ効果を生んで、あまり注目されていないが、天満屋で一番、オリンピックへの流れにのっている「要警戒」の選手だと思う。おっと話がそれた。■士別ハーフの福士の記録は1時間17分19秒で10位。それだけ見るとなんということもないのだが、これは前述のようにペース走だったから。それも、はやる気持ちを抑えてあまり速くはしらない練習をしているかのように伺える中でのものだ。ついでに言うとペース走の上がりは各自に任されたのだと思うが、上がりでけ、少し力を入れて締めくくった。ラスト5キロだけペース走のグループを走っていたメンバーを約1分をも引き離している。■1ヶ月後、北海道マラソンを制したのは福士から2分遅れの16位でフィニッシュしている森本友だった。選手はどこで、どう走ったか、そこにどういう狙いをおいて取り組んでいるのか・・・そういうことを考えると、2012年1月29日のマラソンを見据えて取り組んでいた福士、重友、楽しみだ。

大貴ワールドカップ初優勝2012/01/28 23:19

28日、札幌で行われたスキージャンプのワールドカップ(個人第16戦)で日本の伊東大貴(雪印メグミルク)が優勝した。日本勢3シーズンぶりの優勝でもある。■伊東は1回目、134メートルを飛びトップに立った。これまでも首位折り返しはある、それにしても初優勝がかかる2回目を最後に飛ぶのだ。1回目9位のHVスキレット(ノルウェー)が138.5メートルを飛びトップに躍り出る。同4位のA・バーダル(ノルウェー:ドイツ語読みでバルダル)は135メートル、1回目のベスト3にプレッシャーをかける。1回目3位、2位が飛ぶがバーダルを抜けない。そして、大貴。「周りに選手はいなくなるが、やることは変わらない」とこの1本にベストを尽くす。タイミングが遅れた1回目のミスを修正しようとして、タイミングは合ったが、体が早く入りすぎたと内容には反省したが、130メートルを飛ぶ。ポイント差わずか0・1点。接戦をものにして初優勝を掴み取る。■ワールドカップデビューが16歳の3月、ファルン(スウェーデン)、19歳で初めてワールドカップの表彰台に立ち、「若きエース」として期待を集め続けてきた伊東大貴。2010年にはワールドカップと同格の夏のグランプリでは総合優勝。今季もこれまで3度表彰台に上がったが、「ワールドカップ」の優勝はできそうでできなかったが、2012年1月28日、初めてその中央に立った。■3シーズン前の日本勢W杯優勝は2009年3月の岡部孝信。世界最年長でのワールドカップ制覇である。■伊東大貴、北海道下川町出身。1985年12月生まれ26歳。