川内優輝「夏」に勝った2012/08/26 20:17

2012北海道マラソンが26日、行なわれた。「公務員ランナー」川内優輝が2時間18分38秒で優勝した。苦手の夏を克服するためにもと北海道に出場した川内。記録は満足できるものではないが、目標だった「勝つ」ことができよかったと話した。■2011年の東京マラソンで3位(日本人トップ、2時間8分37秒)に入り注目を集め、同年の世界選手権に日本代表として出場。暮れの福岡でも日本人トップで、五輪代表入りの期待も集めた「最強の市民ランナー」。26年目で初めて出場者が1万人の大台に乗った大規模市民マラソンへと成長する北海道マラソンで、自身も大きな成長を見せた。■レースは超スローペース。外国出身選手がレースを引っ張るということもない。尾崎輝人(中国電力)、中西拓郎(福岡大)、辻茂樹(大塚製薬)らが集団を形勢。10キロ付近で中西が遅れるなど、中間点付近までに6人ほどに絞られる。■そして、25キロ過ぎの給水で、一気のスパート。短距離走並みの腕の振りで、山下直紀(NTN)ら後続を引き離した。タイミングは早いとも感じられたが、「ひとのいやがるところで出ないと意味がない」と意表をつく見事な作戦だった。■しかし、そこからが長い。15分半くらいに上げたイメージだったと振り返った25キロからの5キロも30キロを前に体が動かず16分02秒。そこから苦しみと戦う。「声援に助けられた」という川内、北海道大学、道庁赤レンガと進むと元気をとりもどし、最後の大通でラストスパート。北海道マラソン初優勝のゴールへ飛び込んだ。■女子は競歩出身、地元期待の鈴木澄子(ホクレン)が初マラソンの田端沙紀(大塚製薬)らを引き離しレースをリード。しかし、6月のケガで、8月まで思うような練習ができなかった鈴木は、折り返しをすぎるとムリが祟ったのか一気にペースダウン。小気味のよいピッチで追い上げてきた吉住友里(大阪長居AC)が28キロ付近で逆転。2時間39分07秒で初優勝。女子も「市民ランナー」が栄冠を手にした。