学び舎を巣立つ2013/03/01 20:14

卒業の季節。道北の下川商業高校ではスキージャンプの伊藤有希選手。道東の釧路江南高校ではアイスホッケーの床亜矢可選手が学び舎を巣立った。◆報道陣の取材に応じた伊藤有希選手の様子が送られてきたのだが、VTRを見てみると声がおかしい。ひそひそ話をしているよう。取材陣も一向にその声について質問しない。マイクの不調か、再生機器の不具合か・・・。編集室が俄にざわつき始めた。取材を担当した旭川のスタッフに急いで問い合わせようか。そのとき、やっと質問が・・・。◆伊藤選手は「体調を崩したわけではのいのですが、声が出なくなってしまって」そして、「大丈夫ですか、マイク拾えていますか・・・」。笑いが起きる。◆アイスホッケーの床選手は最後のホームルームで挨拶。笑いを誘った。ソチへ期待が高まる女子アスリートは大舞台へ決意を新たにしていた。

16歳 高梨沙羅2013/03/02 01:03

スキージャンプの高梨沙羅を見ていて感じることは、「健気(けなげ)」。そして、ジャンプのこと、殊更、「女子ジャンプ」のことを一生懸命考えているなということ。◆ワールドカップ総合優勝を早々と決めた高梨だが、先月、地元北海道で行われたW杯札幌大会では、こともあろうに、今季最悪の12位と5位。大会前、「地元北海道の人に喜んでもらえるように」と繰り返しインタビューに応えていたのだが、試合では表情から笑顔が消えた。ミックスゾーン(取材エリア)で、いつものように、少ない言葉ながら精一杯、記者たちの質問に応えようとしていた高梨。しかし、言葉を失い、やっと「自分でもよくわからない」「早く本来の自分をとりもどしたい」となんとか言葉をつなげた。◆世界選手権、個人銀。サラ・ヘンドリクソンとのハイレベルな争いの末、優勝はならなかったが、高梨の表情は清々しかった。「調子が悪く、不安な気持ちだったが、本番では調子をとりもどし、ベストを尽くすことができたから」とその表情の意味を教えてくれた。2日後、ミックス団体で金メダルに輝き、高梨の心からの笑顔が弾けた。◆W杯総合優勝、世界最高レベル大会でもメダルを獲得した高梨は、帰国後の大会参加について聞かれ「名前が違っていてもどの試合も同じように大事」と「どの大会も大切で1つ1つ目の前の試合に集中して臨む。やるべきことをキッチリやる」という貫く姿勢をみせていた。ワールドカップでなくても、世界選手権でなくても、自分のジャンプと向き合いベストを求める。「やるべきことをきっちりやる」ことを目指しつづけている。◆宮様ノーマルで優勝した高梨は、宮の森で飛んだことを聞かれ、「ワールドカップ(2月2日&3日の札幌大会)以来だったが、リベンジできたと思う」と応えた。地元で、本来のジャンプができなかった1ヶ月前の悔しさをはらし、応援に来てくれた日本のファンの声援に応えることができたという思いがあったのだろう。

お寿司を食べました2013/03/02 23:24

きょうは宅配お寿司と聞いていたのですが、さあ、食べましょう!となって、「ツボ」にはまりました。お店の名前が「銀のさら」だったからです。スキーの世界ノルディックの話題をしていたところでしたので・・・。(男女各2)4人揃って食べたので「金だね」とも、会話が弾みました。

アイホ20人の代表2013/03/03 00:26

ソチ五輪の出場権をつかんだ女子アイスホッケー日本代表。その代表の人数は20だった。世界最終予選の規定がこの人数だったのだろうが、数字を見て「おや」っと思った。◆アイスホッケーで氷上でプレーできる選手の数は6人。通常はGK(ゴーリー)が60分プレーする。キーパーを除くと5人。フォワード3人、ディフェン2人というのが通常の組み合わせとなる。運動量が多く、一度にプレーできる時間は数十秒だと言われている。それで、5人一組にして、3〜4つの組み合わせを編成。次々と交代させながら戦い続ける。だから、1チームの選手数は5の倍数(4倍)プラス控えを含めたゴールキーパーの数で、22人とかかなと思っていたからだ。◆今回の日本はゴールキーパーに中奥と藤本の2人をメンバーに入れた。キーパーを除く選手は5の倍数とはならない。18人の組み合わせを見るとメンバー表の上では5人(FW3人+DF2人)3組と、FW3人の1組となっている。これはDFの2人をゲームの流れの中で組み替えていくのだろう。他にもパワープレー、キルプレー、スペシャルセットなど、状況に応じて組み替えていくのだろう。所属クラブとは違うポジションを任されたり、合宿中は別のポジションをやっていた選手などもあった。この辺の戦略を解いていくのも面白そうだ。

クーリングシステム2013/03/03 18:40

ジャンプ界には「チャイナシンドローム」という言葉がある。炉心溶融を描いた映画とは全く違う意味で使われている。チャイナは「中国」ではなく「陶磁器(陶器)」の意味で、サマージャンプで好成績を上げた選手が雪上シーズン突入後、不振に陥るケースで使われる。不振の要因が助走の滑り、人工物の夏の助走路と雪や氷の冬季の助走路とでは滑走の感覚や難易度が変わってくる、その変化に対応できなくなってしまうもの。夏のジャンプ台の助走路は多くは陶器製であることから「陶器症候群=チャイナシンドローム」と言われるようになった。◆今年2月、札幌で行われた女子ジャンプのワールドカップ、高梨選手が、本来のジャンプを見せられなかったのは、それに似た現象ではないかと考えた。当時、札幌は気温が上がったり、下がったり、雨が降ったり、雪になったり、不安定な天気だった。アジア初戦、雪面の状態は変わり、滑り、Rのつまりなど、難しくなっているのではないか・・・と思ったのだ。特に今、ワールドカップではアプローチは冷却装置のあるレールを用いるようになっている。札幌、山形は例外として、天然の雪にカッターを入れて行われた。◆20年ほど前、オリンピック、ワールドカップで活躍した選手が帰国し、宮様に出場したのだが、国内組の選手に差をつけられてしまうということがあった。コーチに聞くと「海外はカッターを使っている」という話がでた。何のことが分からなかったが、圧雪した助走路を「カッター」と呼ばれる機械で削ってシュプールを作るのがスタンダードになっていたが、国内大会にはその施設がなく、助走路がワールドカップなどに比べて、不規則でうまく滑れなかった。ということだった。◆今年の宮様、高梨沙羅選手が、帰国し、ノーマル、ラージとも大きなジャンプを披露し、帰国2連勝した。クーリングシステムで整備されたアプローチよりも、実は今回の荒れた天候下でのジャンプは高梨選手の実力が確かなものになっていることを証明することでもあった。◆更に付け加えるならば、2011年の女子の大倉レコードのゲートを調べてみたら、32番ゲートだった。本日(3日)、136メートルを飛んだ1回目のゲートは26番。風などのコンディションも違うだろうが、2011年より6段、3メートルも下から出ている。同じゲートから出ていたらという仮定を、大倉山のゲートファクターをもとに換算すると、151メートルに相当する(ゲート1メートルで9点。3メートル下なので27点差。この27点を飛距離に換算すると15メートルとなる)。雪面がめまぐるしく変わるコンディション、低いゲート、悪天候で大ジャンプ。高梨は本当に、しかも桁違いに強くなっている。

冷却装置2013/03/03 20:27

クーリングシステム、近く札幌にも導入されるという。ウインタースポーツの国際標準の施設となる日も近い。

女子ラージ2013/03/03 20:30

女子ジャンプのワールドカップ最終戦はホルメンコーレンで行われる。ノルディックスキーの聖地だ。しかもワールドカップでは唯一、初めてのラージヒルだ。出場できるのは世界ランキング30位以内の選手のみだという。2年前、世界選手権はオスロで行われた。しかし、女子ジャンプはノーマルヒル。伝統のジャンプ台とは離れた別の場所だった。伝統の地でワールドカップ総合優勝の高梨沙羅がどんなシーズン締めくくりを見せてくれるのか。◆因に大倉山(ラージヒル)で女子ジャンプが競技として初めて行われたのは2003年のUHB杯、当時はまだSAJのカレンダーにない「公開競技」だった。優勝者は葛西賀子。翌年晴れてSAJ公認となり1番スタートの小浅星子がK点越えのジャンプ!。1、2回をまとめ追い上げた山田いずみと同点2人優勝となった。◆宮様スキーでは早くから女子ジャンプを実施していた。コンチネンタル併催となり、リンジー・バーン(アメリカ)もアネッテ・サーゲン(ノルウェー)も、そしてダニエラ・イラシコ(オーストリア)も来日している。高梨紗羅の141mが記録される前日までの女子大倉山レコードはイラシコのものだった。

男子高校生にも注目2013/03/03 21:00

高梨沙羅選手の凱旋2連勝に注目が集まった宮様国際スキーのジャンプ競技。確かに沙羅ちゃんはスゴかった!しかし、見逃していけないのが男子の佐藤幸椰(札幌日大高2年)。こちらもノーマル、ラージの2冠を達成した。少年組限定ではない、社会人、学生をも合わせてもトップの成績を上げたのだ。世界選手権メンバー不在とはいえ、田仲翔大、小林潤志郎、岡部孝信、伊藤謙司郎、作山憲斗といったナショナルチームの錚々たるメンバーを抑えたのだ。◆佐藤幸椰は中学時代から同世代の中では注目を集める存在だった。昨年はユースオリンピックで銅メダルを獲得している。しかし、世代を越えた争いとなると力の差は歴然。大人たちを驚かすことはなかなかできなかった。◆今年、1月、1対1の対決方式の大会で葛西紀明選手と対戦した。この経験が大きな転機となった。力の差は感じたが、大いに刺激になった。世界ジュニアではまだ力を出すことはできなったが、助走路でのヒザの角度を修正するフォーム改造に取り組んだ。「ヒザがもどる」というアプローチの傾斜が変わるところでヒザの角度が変わってしまい、力を逃がしてしまう欠点を修正した。今回の宮様2冠は修正が身に付いたことを証明する形となった。◆「ソチ代表争いに間に合うと思うか」という質問に「チャンスがあれば」と意欲を見せる。おそらく選考の材料となるのはワールドカップのランキング。佐藤はまず、その舞台に立つための資格をとらないといけない。まずはコンチネンタルカップなどでFISポイント獲得を目指すこととなる。夏の大会などでポイントをとれば、一気に選考のテーブルを乗る可能性もあるが、期限、ルート的にはギリギリの線だが楽しみだ。◆葛西、岡部というベテラン、世界選手権団体1番手で大ジャンプをした清水礼留飛といった新戦力の台頭。もちろん伊東、竹内のダブルエース。男子ジャンプ陣も大いに期待を持てる兆しに溢れている。

シーズンファイナル2013/03/15 01:14

スキージャンプの国内最終戦。伊藤杯ナイター。好きな大会の1つ。引退セレモニーも行われる。今年は16日(土)に行われる。◆雪印メグミルクのホームページによると我が母校、明治大学出身の遠藤友晃選手もこれが最後だという。ああ、今年はファイナルナイターに行けない。ラストジャンプを見ることはできないが、君がUHB杯で若い番号ながら優勝争いをしたことを僕は忘れないよ。

ファイナル16日2013/03/16 00:43

16日に行われるスキージャンプのシーズンファイナル大倉山ナイター。ぜひ見に行ってください。遠藤秀治選手もラストだそうです。「悔しさよりやり切った気持ちの方が強い」と話していましたが、やはり、最後の試合になってみないと分からないとも。感慨がありますね。兄の遠藤悠介さんも五輪前年の引退だったな。ドラマ「バッケンレコードを超えて」では大役をつとめてくれました。お世話になりました。