幻のバッケンレコード2013/08/04 16:04

バッケンレコードとはジャンプ台の最長不倒記録。「不倒」だから、遠くに飛ぶだけではなく転倒せずに着地しなければならない。札幌大倉山のバッケンレコードは2012年に伊東大貴が記録した146メートル、女子の記録は2011年に高梨沙羅が飛んだ141メートル。夏の記録となると141メートルの葛西紀明。そして夏の女子は葛西賀子の131メートルである。◆4日、札幌市長杯大倉山サマージャンプで大ジャンプが飛び出した。飛んだのは高梨沙羅。距離は141メートル。自身の持つ冬の女子バッケンレコード、葛西紀明の夏のバッケンレコードに並ぶものだった。「マキシマム(踏切直後に空中姿勢が完了する空中の最高地点とされるところ)で、いつもと違うところだったので、どこまで行くのだろかと思った。空中は異次元のところだった。」と、もやもやを吹き飛ばすジャンプとなった。◆場内放送は、一旦、「バッケンレコード!」とアナウンスしたが、すぐさま訂正した。飛型点は10.0から12.0。「不倒」ではなく、ジャッヂはルール上の転倒と判定した。うーん、惜しい!「幻」のバッケンレコードだった。落下の重力を受けしゃがみ込むような姿勢となった高梨は両手をついていた。◆課題にしている飛型点では大減点だが、ここまでのジャンプをしてみせたのだから「もう、飛型はいいでしょう!」という気持ちになる。ジャンプの神髄!全てを吹き飛ばす「爽快!」「豪快!」「気持ちのいい」「楽しいジャンプ」だった。カンテ(踏切地点)の近くにいたコーチ陣は「ヤバい!」と思ったとか・・・。◆1998年のサマージャンプで原田雅彦は転倒しながら優勝した。この日の少年組優勝の小林陵侑も転倒しても勝った。去年、清水礼留飛は141.5mを飛びながらヘッドスライディングのように転倒した。原田さんは、テレマークが入らないと、とやかく指摘されていた現役当時、「その分飛べばいい」と考えるようにしたという。2.5ポイントの減点かける3人のジャッヂ、合わせて7.5点離されたとする。飛距離のポイントは、大倉山の場合、1メートルで1.8点。ならば、4メートル50余計に飛べばその差は埋まる。◆原田さんは大倉山のバッケンレコードを4度更新、初めて140の大台に乗せたのも原田さんだった。大倉だけではない、白馬、クオピオ、フィラハ、アイアンマウンテン、ラハチなど世界のジャンプ競技場でバッケンレコードを塗り替えてきた。ミスタースキージャンプであり、ミスターバッケンレーコードなのだ。

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