前進2013/08/23 23:58

最大の目標を失ったとき、ひとはどうやって次の1歩を踏み出すのか・・・。北海道マラソンを担当していると「踏み出そうとするひと」の姿を見る。◆もっとも印象深いのは1995年の有森裕子。バルセロナ五輪から3年あまりもスタートラインに立つことができなかった銀メダリストは、「全てにおいて、この先どうなるのだろうという思いの中での北海道だった」「それがアトランタへ向けた復活のレースになり、自信にもつながり、勢いにもなった」と振り返る。当時のおそらく夏季レース世界最高記録で優勝。五輪代表を決め、アトランタでは銅メダルを獲得した。「北海道は『鍛え』となる大会。世界に向けて準備を色々していく中の1つで、新たなる成長を成し遂げる、マラソンランナーとしての鍛えるべき所を伸ばしてくれる大会だと、その意義を自身の経験から語る。◆今年、北海道マラソンで注目を集めるのは、奇しくも有森と同郷の重友梨佐。ロンドン五輪から1年ぶりのフルマラソン。期待を集めながら実力を発揮できなかった晴れ舞台、さぞや落ち込んだのではと想像したのだが「あまりに悪い成績だったので返って切り替えることができた」。そして、残ったのは「もう一度、あの舞台に立ちたい」という強い気持ち。しかも今度は「もっと戦える状態で」。夏も冬も、しっかり走れるように。それは、視線の先にリオを確実にとらえている。「経験が足りない、チャレンジを続けたい」「このままでは終われない」。次の一歩は25日の北海道で踏み出す。◆今年の北海道マラソン、もう一人気になる人がいる。赤羽有紀子。集大成と公言していたロンドン五輪。スタートラインに立てなかった。そして、モスクワ世界陸上選手権も・・・。実力は自他ともに認めさせる結果を出しながらの不運。恨み言も言いたいだろうに「力がたりなかった」「ケガをしたのが悪い」と不条理な現実にも今は心を乱さない。「まだ記録を伸ばせると思うから」。打ちのめされても前に踏み出すのは自分の可能性を信じているからこそなのだろう。