沙羅、有希、そして優梨菜2015/03/07 13:37

3月6日、札幌・宮のジャンプ競技場。宮様国際スキー大会のジャンプ女子は伊藤有希(土屋ホーム)がK点ジャンプを揃え快勝した。風が不安定、パッカーさんが雪踏みをしてくれたとはいえ、3月の雪、しばらくぶりの試合ということもあり、ランディングバーンは足元をとられやすい難しいコンディションだった。ユニバシアード男女団体金の小林諭果(早稲田大)、UHB杯など今季複数回優勝の茂野美咲(CHINTAI)らが足をとられ転倒した。(小林は転倒しながらその回3位だったが・・・)■高梨沙羅(クラレ)に元気がなかったのが少し、心配だったが、優勝が決まった直後に、上位3人が握手をかわすシーンがあった。日本の女子ジャンプの希望を象徴するものだった。伊藤、高梨、そして山田優梨菜。初めて女子ジャンプがオリンピックで行われた昨年のソチで日の丸をつけた3人だった。有希は優梨菜の肩を抱いて3位を祝福した。

極(まっくす)2015/03/08 08:10

きわみと書いてマックスと読む。東海大四高3年のスキージャンプ選手の古賀極のこと。UHB杯の大ジャンプでネット上などでもざわつきが起きた。漢字が「極」、読みは「マックス」、ローマ字(英語)表記は「MAX」。お父さんは日本人でお母さんはカナダ出身なのだ。■東海大四高はレジェンド葛西の出身高校だが、岡村創太を最後にジャンプは20年近く休部状態だった。東海大四、久々のジャンプ選手がMAXの兄、古賀翔大。そして今季3年には中村直幹ら日本ジャンプ界期待の選手が活躍している(卒業式は終わったが)。■2008年に放送した「バッケンレコードを越えて」のエンディングに、荒井山でジャンプをする子供たちの様子が映しだされる。そこに佐藤幸椰(現・雪印メグミルク1年目)やMAXが映っている。■新しい世代が出てきている。6日の宮様ノーマルではMAXと同学年の小林陵侑(盛岡中央高)が学生、社会を抑えて優勝した。国内戦は本日の宮様ラージ、そして3月21日の伊藤杯ナイターと残り少ない。マックスは東海大に進学しジャンプを続けるとのこと。ジャンプ界、がんばりマックス!

サラバ!別れの季節2015/03/20 21:26

スキージャンプのシーズンファイナル大倉山ナイターが明日、21日に行われる。今シーズン限りで現役を退く選手のさよならジャンプも行われる。■ノルディック複合でソルトレーク、トリノ、バンクーバーと3度のオリンピックに出場。ワールドカップ2勝の高橋大斗(土屋ホーム)も今季限りで引退する。W杯2度の優勝を含む6度の個人表彰台。萩原健司の後継者として日本コンバインドチームをけん引した。■印象深いのは2010バンクーバー五輪。前年、日本は世界選手権の複合団体で金メダルに輝く。エースの大斗は控えに回った。92年のアルベールビル五輪で萩原、河野、三ケ田の3選手で金メダルに輝いたとき、エースの阿部が悔しさを味わい94リレハンメルで見事に金メダルを獲得してみせた不屈の物語を重ね合わせる人がいた。■結果から言うとバンクーバーで複合チームはメダルを逃した。それでも個人戦には出番のなかった高橋が、起用された団体戦でみせた大ジャンプはウィスラーの人たちをうならせた。家族の声援は熱く、温かかった。■高橋の持ち味はジャンプ。スペシャルジャンプの選手を相手に表彰台の中央に立つことも度々、あった。2005年、金子佑介がバッケンレコードを出しながら優勝できなかったときも、その横で一番高いところに立っていたのは高橋大斗だった。■2007年、札幌世界選手権。雨が降り、霧が立ち込め、どんよりとした空気の中で高橋大斗のビンディングが外れた。空中に飛び出すやいなや回転しながらランディングバーンに肩から落ちた。見ていた私は息をのみ、胸がつぶれそうだった。復活への道のりの険しかったろう。不調の中で荒井山の子ども用のジャンプ台を飛び続けることもあった。■昨シーズン、純ジャンプ1本に転向した、皆が舌を巻くようなジャンプを誰もがまっていたが、まだ大斗らしいジャンプは見られていない。ラスト大倉山、どんなフライトを見せてくれるのだろか。

カンタ2015/03/20 22:07

有名スポーツ選手が猿のぬいぐるみをカバンにいれて遠征にも持ち歩いていた。そのぬいぐるみの名は「カンタ」・・・そんな話を思い出した。■2006年、原田雅彦さんが引退した数日後、上川町でトークショー、講演形式のおつかれ様の式典が行われた。原田さんは現役引退のワケ、長野五輪の裏話などを楽しそうに話し、ふるさとの人たちを笑わせた。■質問コーナーになって、男の子がマイクを持って立つ。「一番思い出に残る大会は?」。間髪入れず原田さんは「長野オリンピックでしょ」と答える。あまりの即答に、司会者が、他にも聞きたいことがあったら聞いてごらんと追加質問を促す。男の子は「スランプのときどうしますか」と聞く。原田さんは「今、どう?調子は悪い?上向いてる?」と聞き返すと男の子は「上がっているように思う」と答える。原田さん、「そうですよ、そうそう、スランプなんてナイ、ポジティブに思っていればいいです」と答える。■上川の男の子は高梨寛大君だった。この春で明治大学を卒業、ユニバミックス団体でのメダルを手土産にカンタも現役に別れを告げる。卒業おめでとう!

吉岡和也2015/03/20 22:17

地元開催とはいえ、初めてワールドカップに出場した選手が、K点を越えてくるような大ジャンプを見せれば。誰だって肝を抜かれる。吉岡はそんな度肝を抜く高校生だった。彼も明日21日の伊藤杯がラストフライト。あまり書けない。さみしすぎる。ぜひ、大倉山へ。

細山周作2015/03/21 17:41

後志出身のジャンプ選手が少なくなります。斎藤前監督に憧れ、頂点目指していましたが、本日がラスト!

スーパー高校生2015/03/22 03:15

現役最後の試合を終え、吉岡和也は「最後の試合だったので緊張する部分もあった」とちょっぴり悔しそうだった。それでも自身のジャンプ人生はと問われ「言うことない、最高のジャンプ人生だった」ときっぱりと答える。そして、一番の思い出は?の質問に、初めは「若かった頃、みんなで回ったワールドカップ、葛西監督(葛西紀明)と同じ部屋になり印象に残っている、当時、原田さん、岡部さん、斎藤さん、船木さん、宮平さん・・・強い人がたくさんいて、その中で揉まれてきて、それが一番の思い出」とスーパー高校生などと言われ、最年少五輪代表に選ばれた10代の頃のことを話したが、そのあとに言葉をつないだ。「・・・思い出というか、1番は『娘にこうして飛んでいる姿を見せられた』こと、思い出というか、それが1番良かった」と締めくくった。■若くして脚光を浴びた男が、苦しみもがく姿も少なからず見てきていたから苦しみの中での支えやモチベーションとなったものを聞こうと思っていたのだが、その必要はなくなった。■吉岡和也。小樽・北照高校1年でワールドカップ(W杯)初出場。初戦は44位だったが、ラージに変わった自身2戦目で18位に入る(ノーマルより、ラージヒルが得意だった)。高校3年の2月から海外遠征メンバーに入り社会人1年目の19歳で、長野オリンピックの代表に選ばれた。長野での出場機会はなかったが、翌シーズンのW杯で5度のシングル、団体では優勝も経験する。ソルトレークシティ五輪前年、プレオリンピックを兼ね五輪と同じ会場で行われたW杯で個人3位、団体優勝と表彰台に立った。この年は世界選手権にも出場、五輪での活躍に期待が膨らんだ。ところが2002年、表彰台にたった同じジャンプ台に吉岡が行くことはなかった。■景気、ジャンプ界の低迷のあおりなどか所属チームの廃部、クラブの解散なども経験した。■2011年アジア大会金メダル。■引退後は所属の土屋ホームに残り社業に専念する。「これからは営業マンとして頑張る、ご用命よろしくお願いします!」

マラソン選考 その12015/03/23 01:46

今夏北京で行われる陸上の世界選手権。マラソンの代表選考が物議を醸している。選考会の優勝者が代表に選ばれず、スポーツジャーナリストの増田明美さんが会見で問い質したのはニュースにもなった。私も横浜で優勝した選手が選ばれるものだと思い込んでいた。だから田中智美の名が呼ばれなかったときは驚いたし、配布された選手リストを何度も見返した。ケガなど不測の事態があり、田中智美陣営から出場辞退などの申し出があったのだろうかと心配したほどだったが、そうではないという。■競技において「勝利」に勝る価値はあるのか?そんなものはない。ただし、選考となると話は別。今回の選考について想像を巡らせてみる。■一番、簡単な説明は、「選考のテープルに上がった男子10人、女子9人の中からナショナルチーム(NT)の者を選考会でのタイム順に上から選んだ。NTメンバーからは2人しか選考のテーブルに上がらなかった男子はNT以外の選手のうち選考会でのタイム最上位選手を加えた」。気象条件や展開によってマラソンのタイムは左右されるが、今回は単純な数字で決めた・・・というのであれば、3/11発表の6人になる。■「そんなことしたら記録の出やすい大会に選手が偏るのでは」、あるいは「内容を吟味したんじゃないの?」「記録で決めると周知した?」と反論があるかもしれない。その点については、そうかもしれないが、ただ今回の選考各レースで、高いレベルの記録を出そうという意欲はあったのか?展開などから記録が低調になることもあるが、記録を捨てても勝つことに徹したものだったのか?と問うたとき、その答えはどうだろう。■今回の選考結果について、説明に苦慮しているように映ったのは「落とした理由」ではなく「代表にした理由」の方だ。女子の前田彩里を除けば、とても世界と戦えるレベルではない。本番が夏のレースという点を加味して、今井の入賞が期待できるくらいだろう。代表入り目標タイムに掲げた男子2時間6分30秒、女子2時間22分30秒という記録は派遣最低限の条件となる派遣記録ではないが、目標記録を突破していないのであれば派遣すべきではないという厳しい見解もある。競泳やスピードスケート、陸上競技でもマラソン以外は派遣記録を設け、これをクリアしなければ選考会で優勝しても派遣されない。以前、派遣する最低限の条件としての記録(男子2時間9分29秒、女子2時間25分59秒)を設けていたことがあった。今回、選考条件に含まれていないが、感覚的にこれくらいはクリアしてくれないと話にならない。高い目標値に変えたのもより志を高くする狙いであったはずだ。3人連れて行くべきか、佐野の9分台は、低体温症を起こすよう悪条件だったとはいえ11分かかったNTメンバーを逆転するものではなかったかといった点こそ議論される点にも思う。■今回の選考には高い志があると信じたい。想像膨らむマラソン選考に関するお話は、<リオへ向け選考途中><格付け><育成型選考><チームジャパンとして強くなる>といった視点で続く・・・(予定)。

マラソン選考 その22015/03/25 00:11

一発選考がわかりやすく、スッキリする・・・という人がいるが、日本陸連はマラソン選考方法について一発選考を行わない姿勢を明確にしている。やらないことが前提のところに、一発がいいという提言は、そもそも噛み合わない。■過去のブログと今月、名古屋あたりから代表発表にかけて呟いた簡易ブログを再掲(少し直したり、補足したものもある)。■2013年6月20日にこのブログにアップした「育成型選考方針① (http://kondahomare.asablo.jp/blog/2013/06/20/6871345)」■名古屋ウィメンズ〜代表発表にかけてのつぶやきまとめ▼1988年の大阪でリサ・マーチンが2時間23分で走ったときは、さすがに衝撃的だった。あれから四半世紀以上たった今、5km16:50を驚きのハイペースと謳う感覚はどうだろう。これが世界選手権や五輪、北海道マラソンなど気温20度超大会ならともかく、今は目指すべきペースのはず。▼とはいえ、現状では高すぎると思われるハードルをほぼクリアして見せたのだから感服した、という感じはする。2時間20分突破を狙うとき、16分40秒を重ねていかなければならない。5km17分を切ると速い、という感覚こそ変えていかなければ・・・と思う。▼99年東京国際女子の千葉ちゃんの飛び出しはリサ・マーチン以上の衝撃でしたね。日本女子の意識を完全に打ち破ったレースでした。東京、大阪、名古屋すべて22分台。今から15年前のことです。▼競走馬の力量を独自の理論でランク付けしている友人がいた。タイムに関しては単純な絶対値の比較ではなく偏差値化していた。優勝タイムは「もっと速くなる」可能性があり2着以下はプラス要素は加えない。ただし1着との乖離率は勘案する。流れにのって出たのか地力が生み出したものかということだ。▼ハイレベルかなりのインパクト
1.KIRWA/BRN 2:22:08
2.KONOVALOVA/RUS 2:22:27
3.MAEDA/JPN 2:22:48
▼日本人国内で23分突破
2.21.18野口03年1月
2.21.37野口07年11月
2.21.20千葉03年1月
2.21.51坂本03年1月
2.22.12山口99年11月
2.22.19高橋00年3月
2.22.48前田15年3月
2.22.56弘山00年1月
▼きょうの前田の記録は今年の世界ランク11位▼増田明美さんと陸連幹部がバトル マラソン代表発表会見で女子選考巡り(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース http://t.co/wuwlp69WWJ▼重友を擁護するならば、強化の方針、テーマに沿ったキャリアを積んでいる。惨敗したロンドン五輪後のレースは、夏のマラソンに再挑戦させ(13北海道)、(時差があり、世界勢が揃う海外のレースにも出場)、女子マラソン再建が叫ばれる中の14大阪は撃沈覚悟で、日本を代表するランナーとしての気概をみせる入りだった。つづく▼13夏、14冬は失敗しても挑める時期。五輪経験者が安全策をとらずリスクを冒し挑んだプロセスがあっての15大阪の結果、そこは決定条件に満たない候補者を評価する強化委員の考課に頷ける。むしろ代表選出後、私でよかったのか、などと思わせないことが大事だ。重友はエースたる選手だ!▼決定条件をクリアすれば、機械的に代表にするが、条件を満たさなかった場合は選考委員会が決める、という方針はめいじされていた。優勝の結果は重いが決定条件に達していなければ代表の行方は選考委員会の眼力に委ねられる。それだけNTの指揮官の責任は重い。▼会見では否定されたが、田中陣営に代表辞退の事情があったのか?と疑問を抱いた。▼誰が選ばれ誰が外れても、そんな大きな話題ではないんじゃないか、白熱した会見場をあとにするメディア関係者の中に、そうつぶやく人がいた。確かに今の日本マラソン界の現状はそうかもしれない。話題を呼ぶ活躍を期待!!▼フェアタイム:池上孝則氏の補正タイム
田中智美(第一生命)横浜優勝2:26:57フェアタイム2:26:06±14
野尻あずさ(ヒラツカ・リース)北海道優勝2:30:26→2:28:40±12
重友梨佐(天満屋)大阪3位2:26:39→2:26:51±14▼「物足りない」日本マラソン界がまだまだ全然物足りない。選ばれた人もそうでない人ももっともっと頑張らなければ!▼松野明美、山本佳子、安部友恵、鈴木博美、吉田直美、原万里子、弘山晴美、千葉真子、渋井陽子、高橋尚子、、、代表漏れの選手でも入賞はおろかメダルとってもおかしくない面々。■つづく

マラソン選考 その32015/03/26 04:17

今回の女子の選考でカギを握っていたのは岩出玲亜(ノーリツ)ではなかったろうか。岩出は11月の横浜と3月の名古屋に出場している。選考の規定では、「狙ったレースでの結果を見る」観点から、複数の選考レースに出場した選手は最初に出た試合を重視するとしている。(11年世陸、11年横浜で日本勢に後塵をはいした尾崎が12年の名古屋日本人トップでロンドン五輪の代表を掴み取ったようなケースは今回の選考の場合は生まれにくい)。■岩出は横浜が初マラソン。怖いもの知らずの面もあったろうが、ペースメーカーの乱ペースについていった。結果的には優勝する田中が「消極的」とみられた5キロから15キロあたりの両者の違いの出たところだ。しかも同じように先頭グループを形成した野尻あずさ(ヒラツカ・リース)が前半に足を使ってしまって終盤、脱落したのとは対象的に、岩出は終盤まで優勝争いに加わっていた。言動から日本女子に求められている「意識を変える」「閉塞感に風穴を空ける」要素を持っている。■かといって、これで岩出を選出するワケにはいかない。「強い選手を選ぶ」という方針に含まれる考え方の中には「一発屋」を選ばないという点がある。複数回の「成功例」なり、合宿などで「強さ」のデータを残していることが条件となる。「追試での評価は低い」としている今回の選考だが、名古屋に岩出が出るとなったとき、少なからず関心を寄せたはずだ。■横浜からの短いインタバル、横浜とは違う顔ぶれ、そこで唸らせる姿をみせれば、代表の行方はサプライズな展開を見せる可能性もあったのではと勝手に想像してしまう。ただ、残念ながら、名古屋での岩出は緊張からか体調不良も重なり精彩を欠いた。それでもズルズルといきそうな展開ながら2試合連続サブ30と悪い時でもボトムが高い。■結果が出た後、3レースを並べて見たとき、今度は岩出がモノサシというか、岩出を中心に他の選手を図る視点が生まれはしなかったろうか。横浜のときと、名古屋のときでは岩出の発揮したパフォーマンスの度合いは同じとは言えないが、横浜で岩出より前にいた田中は、名古屋のメンバーならどの辺かな・・・と。竹中よりは前だろうが、伊藤には届かないかな、いや届くかな。早いペースで入り後半タレた重友は岩出より前で踏ん張り切れただろうか、だとしたら、伊藤や田中との前後関係はどうだろう・・・という具合に見るとイメージしやすい。■そんな選考はしていないだろうが、なぜか私は力関係を岩出を軸にイメージしてしまった。