絶妙MGC設定記録2017/08/31 22:02

日本陸連が打ち出した東京五輪の代表選考方法。2019年秋以降をめどに新設するマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を軸とするもので、この決定戦への出場権をかけた2シーズンにわたる国内男女8大会がマラソングランドチャンピオンシップシリーズ(MGCシリーズ)に指定されている。■一次選考にあたるMGCシリーズは大会ごとに記録や順位が設定されていて、この条件をクリアした者に決定戦であるMGCへの出場権が与えられる。MGCへの出場権を得た者、五輪代表候補(MGC進出者)をMGCファイナリストとしている。MGCファイナリストはMGCシリーズの他に'17世界選手権入賞者、'18アジア大会メダリスト、IAAF公認大会で男子2時間8分30秒、女子2時間24分00秒以内。もしくは期間中の自己上位②レースの平均が男子2時間11分、女子2時間28分以内といった選手も「ワイルドカード」でMGCファイナリストとなる。■MGCシリーズ最初の大会、北海道マラソン。男女各1名のMGCファイナリストが誕生したが改めて設定記録の妙を感じた。北海道マラソンの設定記録は優勝(日本人1位)なら男子2時間15分(女子2時間32分)以内、日本人2-6位の場合は男子2時間13分(女子2時間30分)以内となっている。男子優勝の村澤明伸は優勝しても出場権獲得者なしの瀬戸際からペースアップし12秒クリアする2時間14分48秒。女子のファイナリストの前田穂南は負けても6位以内なら権利が得られる2時間30分までもクリアしたが、2位の野上恵子は僅か11秒届かなかった。女子優勝候補と目されていた田中華絵は試合前、「優勝を目指す、優勝タイムが2時間32分より遅いとは思えない」と優勝すればMGCファイナリスト入りの条件はクリアできるはずと話していた。田中華絵は2時間32分16秒。軽いアクシデントがあったようだし、トップを走っていれば落ち込みはそれほどないであろうことを想像すれば、確かに優勝していれば2時間32分以内では走れていただろう。■試合前の男子選手への取材では答えは大きく4つに分かれた。1つは2時間13分以内で優勝。2つめは2時間15分では1人しか資格が得られないから2時間13分を切るペースで行って6位以内にはいる。3つめは過去の大会をみると2時間13分の流れになることは少ないので2時間15分以内で確実に勝つ。そして4つめは今回MGCの資格を得られらくてもよい(夏のレースの経験を積む、勝ちにこだわりタイムは気にしない、記録の出やすい大会に備え鍛錬の一環、現在の自分の力を確認e.t.c)というものだった。■大会にペースメーカーは存在していなかったが優勝経験のあるサイラス・ジュイや2時間9分台記録を持ち大会記録更新の2時間10分台宣言をしていたメラク・アベラ、2時間13分狙いの選手らがペースをつくるのではないかと予想していたが、蓋を開けてみると2時間15分突破も危うい超スローペース。レースは「ナマモノ」ペースメーカー不在の中でメンタル部分も「貴重」な経験ではあるが・・・ここでも心理へ影響もあったのではないか。■「13分ペースでみんなで行こうよ」と考えていた選手は焦りもあったのではないか。一向にペースが上がらない集団の中で中盤なんとか前へという走りをしていた大津選手らは、消耗してしまっていたのではないかと想像する。丸山選手、吉村選手は15分で勝つとしていた。スローになっても「勝つ」をテーマにしていた選手がスローに心を揉んでしまうことなく優勝争いを展開したのではないか。更に優勝した村澤明伸選手は優勝インタビューでも「タイムは残り1キロまで意識していなかった」「(MGCファイナリストになれたのは)ご褒美かな」と答えたように資格獲得は度外視してマラソンを走りきることに集中していたのではないだろうか。

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