東京五輪マラソンコース:瀬古利彦氏に聞く①2020/01/19 20:28

北大クラーク像の前
東京五輪のマラソンと競歩の会場が突然、札幌へと移転することが明らかになってから3ヶ月。1月14日、日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦氏が北海道のテレビ局(北海道文化放送)の番組出演のため札幌市を訪れた。コースを見た瀬古氏に印象を聞いた。■全体的な印象は非常にフラット。当日の気象コンディションは予想できないがタイム(自己記録)の良い選手、実力通りの結果が現れやすいのではないか。(男子でいえば)2時間1分台、2分台の選手が出場してくれば優勝候補、メダル候補になるだろう。勝負は30キロ以降からだと思うが、最初から最後まで気の抜けないレースが展開されることも予想される。■日本代表にとっては手強い相手と戦うことになる。(気温30度を超え、湿度も高い)東京が会場ならば(海外勢の出場回避や戦意喪失、対応不足などで)自国の高温多湿に慣れている、対策を進めている日本勢にメダルのチャンスが高いと言えたが、目標の設定は入賞ラインとしてそこからチャンスを伺うという考え方も必要かもしれない。暑さ、そして登り坂に強い、中村匠吾は本当に東京で走らせたかった。■会場、コースが変わってもMGCで内定した男女4選手とも自信を持って送り出したい。自己ベスト通りと言ったが、中村は(2時間)5分台の力があると見ている。最近でも中村はハーフマラソン、服部や前田は駅伝に出場してスピード面など札幌対応へのシフトも行っている。(1国3人までのランキングの場合5分台は世界10傑相当)■女子の2選手は北海道マラソンを経験している点もプラス(前田穂南が2017年、鈴木亜由子が2018年、それぞれ優勝)。前田は普段おっとりした感じだがレースになると人が変わる。非常に頼もしい。スケールが大きい。MGCでも速い流れから押し切る力を見せてくれた。鈴木はトラックで世界選手権、五輪代表になっているし、入賞目前までいった。(初マラソンの北海道とMGCの2レースともタイムを狙うレースではなかったが)スピード勝負となれば世界にも引けを取らない。■こうした事態(札幌移転)を予想していたわけではないが、代表選考の最後はスピード枠と考えていたMGCファイナルチャレンジ。MGCシリーズ期間に日本選手がマークした最速タイム、男子は2時間5分50秒(日本記録)、女子2時間22分23秒をそれぞれ上回るタイムが設定されている(男子 2:05:49、女子 2:22:22)。このタイムをクリアした選手の中から最速の選手が3人目の代表となり、突破者が現れなかった場合はMGC3位の者が代表になる。MGCファイナルチャレンジはよりスピードを意識する東京五輪の札幌コース対応にもつながっている。■▷2019.10.16IOCが開催地を札幌に変更すると表明、11.01東京で行われたIOC、国、東京都、組織委員会四者会談で移転を決定、12.04ローザンヌのIOC理事会で競技日程、競歩コースとマラソン発着点承認、12.19コース案合意▶︎今後のMGCファイナルチャレンジ●大阪国際女子マラソン(1月26日)●東京マラソン(3月1日)●名古屋ウィメンズマラソン(3月8日)●琵琶湖毎日マラソン(3月8日)

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