東京五輪マラソンテスト大会5月5日に開催その32020/12/14 00:00

 2020年12月11日発表された札幌で行われる東京五輪マラソン・テスト大会(2021年5月5日)について、その3。「トップ選手」の顔ぶれについての見通しです(推測・空想)。

 東京五輪のマラソン日本代表選手、候補選手についてはかなり可能性は高いと予想しています。

 東京五輪のマラソン日本代表は2019年のMGC1、2位の男女4人とMGCファイナルチャレンジで設定タイムを突破して最速だった男女各1名の計6人。加えて代表6人に不測の事態が起きた際の補員男女各2名が代表候補となっています。

 お名前を紹介すると中村匠吾、服部勇馬、大迫傑、前田穂南、鈴木亜由子、一山麻緒、大塚祥平、橋本崚、小原怜、松田瑞生の皆さんです。

 気象コンディションはまったく違いますがレースペース(あるいはそれより速いペース)でコースを試走できるのはまたとない機会です。テスト大会がフルではなくハーフマラソンである点も参加しやすい点だと思います。

 加えて10キロの部がある点もポイントです。むしろハーフに80人のトップ選手が集まるのだろうかという心配さえしてしまいます。私が選手、関係者なら1周目は試走をしなくても(歩道の)ジョッグや車での下見で十分、2周目以降をレースを想定して走っておきたいと考えるはずだと思うからです。

 10キロは市民が五輪コースを走れる部門に位置付けられていますが、ここにトップランナーがエントリーしたいと要望してくることも十分考えられます。トップランナーが出場する10キロロードレースが少ない今、テンケーの日本記録が生まれることもあるかもしれません。

 道路競技の10キロ日本記録は男子が28分05秒(佐藤敦之2007年10月14日)、女子は31分44秒(千葉真子1996年2月11日)です。

 8月にマラソンを予定している選手(五輪代表)、マラソンを主戦場としている選手でも4月、5月はトラックレースに取り組みスピード面を重点的に磨き、5月下旬から高地トレーニングなど6週間ほどのマラソン合宿に移行するスケジュールとも考えられます。マラソン練習を3ヶ月とる場合だとテスト大会はちょうどマラソン練習に移行し始める時期にあたります。

 2021年5月5日(水)前後の競技会の予定を例年のカレンダーに照らし合わせるとトラックシーズンで春のサーキット陸上が行われている時期にあたります。4月下旬から5月上旬に神戸、広島、水戸で5000mや1万メートルの競技会が行われています。延岡のゴールデンゲームズに主力選手が集結します。5月下旬にある実業団対抗、大学対校の地区大会に向けて記録会も頻繁に行われます。2021年は5月3日に男女の1万メートルの日本選手権が静岡県袋井市での開催が決まっています。

 ロードレースでは例年なら4月下旬に岐阜で、5月に仙台でハーフマラソンの大会が行われます。市民ロードレースが再開していればゴールデンウイークには多くの大会が開かれます。以前、川内優輝選手が5月に3日連続を含むハーフマラソン連戦などという「川内流」の大会出場をしたことがあります。マラソンを主戦場としている選手にとっては出場を検討する大会となっていると予想されます。

 川内優輝選手のような競技スタイルの選手には出場を期待したいところです。北海道マラソンで北大構内での(悔しい)思い出もある川内(旧姓・水口)侑子選手と夫妻での出場があっても素敵だと思います。

 先日の福岡国際マラソンで脚光を浴びた吉田祐也選手は東京より先の2024年パリ五輪の候補として名乗りを上げました。東京のテスト大会でパリを目指す選手が快走をみせれば未来への物語としても話題になるような気がします。ただ、吉田選手はトラックで磨きをかけたいとしているのでおそらく2021年の5月はトラックの1万で日本選手権に駒を進めているのではないでしょうか。中1日で札幌にトライということはあるでしょうか…。

 マラソン代表候補選手ですが松田瑞生選手もトラックでの五輪出場を視野に入れていることもあり2021年5月は袋井にいる可能性の方が高いのかもしれません。

 1万メートルで代表を決めている選手については、日本選手権という国内最高のタイトルの連覇を狙うかもしれませんが、五輪に向けてという意味合いでは2021年の日本選手権1万mにはあえて出場しなくてもいいとも言えます。

 「マラソンを走るところを見たい」「パリではマラソンで代表か」と期待される東京五輪男子1万m代表の相澤晃選手が東京五輪のマラソンコースでハーフマラソンを走る姿は見たい気がします。ロードシーズンにハーフマラソンに出場するようですが、トラックシーズンはスピード変化などへの対応を考え5000メートルを重視する意向を示していたので5月のロードに姿を見せることはないのかもしれません。

 女子1万メートルですでに内定を勝ち得ているのは陸上長距離界で注目の人、新谷仁美選手です。ハーフの日本記録保持者でもありますし、10キロの日本記録を狙える選手としても真っ先に名前が上がるところでしょう。

 新谷選手は5000メートルでも五輪代表を狙う意向を示し、東京五輪の1万メートルで自分超え(世陸5位以上≒メダル獲得)を目指しています。5月5日頃の動向も興味深いところです。

 5月3日の日本選手権1万mを走って6月の日本選手権に向かうということは十分に考えられます。競技会が再開されていれば、それより前に5000メートルの記録を叩き出し、レスト、あるいはあえて鍛練期にあて山籠りなどかもしれません。スピードを維持しつつ距離を踏む時期と考えればハーフがあればトラックシーズン中にもロードに出場することも選択肢に入っていく可能性はゼロではありませんが、生半可な状態では試合に出てこないと考えるのが妥当でしょう。

 北海道のマラソンに縁があるといえば東京五輪の女子5千メートルで代表に内定している田中希実選手。両親が北海道マラソンを走り母親の千洋さんは2度優勝しています。鈴木亜由子選手が優勝した2018年はじめ近年も北海道マラソンに訪れていました。ただ、2020年に成果を上げているようにじっくり鍛練を積むことに主眼をおくでしょうし、5千に活かせるようにという点からすると1万メートルへの出場は考えられます。

 5月3日の袋井が非常に重要なっているような気もします。過密日程ではありますが日本選手権1万mは終了後なので北海道まで遠征してロードレースを経験ということもないわけではないのでしょうが、10kやハーフマラソンというより1500mやもっと短い800m、400mという種目でレペトレ的なものの方が現実的だと思います。エキシビションのような大会参加は五輪が終わってからなのかもしれません。

 一方でトラックを主戦場としている選手は5月のロードレースは選択肢にないかもしれませんが、日本選手権に出場する選手はほんの一握りなので、マラソン、ハーフマラソンで日本代表に育っていくよう選手が自国開催のオリンピックに関かかわる大会にエントリーしてくる可能性はゼロではないと思っています。

 またマラソン練習の場所(練習拠点)をどこにしているかも関係してくると思われます。移動や出入国の手続きの状況がどうなっているのかといった点です。マラソン代表の中では拠点を海外にしている大迫選手については顕著に出場の判断を左右するような気がします。

 テスト大会には海外選手も出場できる方向で準備を進めるようですが、入国や滞在方法についてもどのような運用がされるのかコロナの状況含めて大いに関係してくるでしょう。

 出場選手については1ヶ月前くらいに固まってくることになるかと思っています。今は勝手な妄想です。想像すると楽しい気持ちになります。お名前を上げさせていただいた皆様ごめんなさい&ありがとうございます。

 テスト大会、もちろん本番も実施される世の中になっていることを願うばかりです。

※このブログは12月12日のnoteへの投稿を転載したものです
https://note.com/kita_fox/n/n83d6a51d5cda

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