ロンドン五輪メダルを目指す2011/09/20 17:48

世界選手権の女子マラソンで日本勢最上位の5位に入賞した赤羽有紀子選手が所属するホクレンで会見した。世界選手権の様子や今後の目標を語った。■赤羽選手がマラソンで世界選手権に出場したのは今回が2度目、前回(2009年ベルリン)は「思うような結果を出せなかった」が、今回は「最後までしっかり走ることができた」ただ、「結果を残すことができたが『メダルをとれなかった悔しさ』もある」。(この時点で)ロンドンオリンピック代表の内定は得られなかったが、「『ロンドンオリンピックでメダルをとる』という目標に向け足りなかったものを見つけることができた」「一瞬の切り替えに対応できれば国際舞台でも十分メダルを狙える」という手応えも掴んだと世界選手権を振り返った。■今後のレース出場に関しては「当面、駅伝に力を注ぎ駅伝をスピード強化として活かしながらロンドンオリンピックを目指す」と赤羽周平コーチが説明。選考会については「ロンドンオリンピックでメダルをとる」ことを目標にしているので、代表に選んでもらえるように考えて計画を立てていく。内定の条件はクリアしていないが世界選手権も選考レースの1つだったのでその点をどう評価してもらえるのか・・・。駅伝の間にある横浜は出場しないが、春までにはハーフ以上の距離の大会、できればフルマラソンに出場したいと考えているので、フルマラソンには出場すると思う。それが1月、3月の大会なのか、他の大会なのかはまだ決まっていない。持ちタイムが2時間24分なので、出来れば2時間21分くらいのタイムを狙わせたい、という趣旨の話をした。■福士加代子選手も本格的にマラソンに取り組み、渋井陽子選手も少しやる気を取り戻しているよう、野口みずき選手も選考会に復帰を間に合わせたい意向だと伝えられている。新しい選手の台頭だってあるだろう、五輪シーズンとなると劇的なことが起きるので、まだまだどうなるかは分からないが、代表選考やその先の五輪本番に向け注目度が増していくのは間違いない。

福島先生ギャグ炸裂2011/09/13 22:22

「ジュンジュワー!」ホリケンことネプチューンの堀内健の一発ギャグを武器に福島千里が戦った。■北海道ハイテクノロジー専門学校(北海道恵庭市)への進学を希望する高校生らを対象にした体験入学で講師を勤めた陸上女子短距離の福島千里選手。講義の内容は日本陸連の代表チームでトレーナーを務める長田瑞恵さんとともに、世界選手権の様子をスライドなどで報告するパネルトークと福島選手が実際に行っているエクササイズを実演を交えて紹介する2部構成だった。■前半のトークセッションでは海外チームが使っていた熱対策のジャケットやウォームアップエリアのテント内の様子、ONとOFFを見事に切り替える福島選手を象徴するくつろいでいる様子などの画像も紹介される貴重なもの。ちょいちょいジョークも入る楽しいものだった。■参加者は熱心に聞き入っていたが、リアクションが薄かった。コンサートツアーなどで訪れるアーティストらも感じることがあるらしいが、北海道のイベントではしばしば見られる現象。道民気質か、楽しんでいるのに反応がなく、静かに聞いている。決して退屈だとか、面白くないとかではない。しかし、やっている側は「滑った感」を抱いてしまう。時々、入るジョークに反応がないと「滑った感」は加速する(決して滑っているわけではないのだが・・・)。■トークセッション終了後、作戦を練り直した福島&長田コンビ。気合いを注入する際の「いつものワザ」を使う決断をした。そして、実演セッションが始まるときその秘技は披露されたのだった。■福島選手は長田トレーナーについて「体だけでなく心もほぐしてくれる」と話したが、福島選手の「ジュンジュワー!」はかなりの衝撃で参加者の気持ちをほぐした。参加したのは柔道整復師学科、鍼灸学科、スポーツ学科への入学を考えているアスリートを支える道を目指す人たち。福島選手自身もその存在の有り難さを強く感じている。講習の締めくくりに「長田さんは私の目標を、同じ夢を一緒に見てくれている、心強い存在」とトレーナーを目指す受講生たちに伝えた。■秘技披露など先生役を無事終えた福島選手は「来た人たちの夢や、やりたいことが広がってくれたらいいな」と願っていた。【画像】トークセッション終了後の福島選手と長田トレーナー。手前のスパイクシューズはラインサイドにシャンパンゴールドが施された2011世界選手権日本代表バージョン福島モデル。▼福島選手は12日には北海道苫小牧市内の小学校で日本陸連のキッズアスリート・プロジェクトにも参加、子どもたちにスポーツの「楽しさ」を伝えた。

福島千里先生2011/09/09 19:55

陸上女子短距離の福島千里選手が「先生」になる。福島選手は日本陸上界初の2種目で準決勝進出を果たした世界選手権から5日に帰国。翌6日には後援会の報告会にも出席した。今週末には北海道ハイテクノロジー専門学校で進学希望者を対象に行われる体験授業で講師を務める。世界と激戦を繰り広げたテグから1週間。世界の階段をまた1段上がったちぃ先生の講義に、入学希望者たちの反応は・・・

チャンスがあっただけに2011/09/06 17:24

女子マラソンの敗北感は期待の裏返しだ。メダルが狙えるという状況が大きく作用した。当然の選択、現象もそうなりうるものだと理解している。勝利の女神の悪戯。出場した選手やスタッフに失望しているのではない。健闘には敬意を表したい。メダルとほぼ同等の入賞は素晴らしく、高く価値されるべきだし、悔しい結果となった選手にも世界に挑んだ日々に誇りを持ち、次なる挑戦にもエールを送りたい。■最後に・・・中途半端な成功が状況の変化に気づくのを遅らせることがしばしばある。日本男子がたどったように女子にだって世界から取り残されてしまうことが起きないとは限らない。という不安な気持ちも付け加えておく。(このテーマ最初)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091140>【画像:マラソンのスタートゴールとなったチャンガク交差点にある国債補償運動記念公園・競技中は一般の立ち入りが制限されていた】

勝機はどこに2011/09/06 17:15

テレビ画面からも分かるようにケニア選手は共同作戦を展開していた。集団に誰がいるのか、このペースで大丈夫か、スパートのタイミングは・・・。明らかにチームで戦っていた。そして、終盤の切れ味勝負の展開に持ち込んでいった。■日本勢にとって勝機を期待できる展開は17分20秒前後のイーブンペースでリズム良く行き、ライバルたちを絞り込むのと同時に、ペース変化のギャップを極力、少なくする流れに持ち込むことだったろう。5人が入れ替わりペース走のようにケニア封じ込みの作戦をとれたらどうだったろうか。■広島アジア大会の男子1万メートルで高岡寿成と平塚潤は7000メートル付近まで千メートルごとに交互に先頭にたってメダルを2つ穫るペースを作っていった。もっとも過去のオリンピックでは共闘作戦をとって共倒れしたこともあったので、一概にペース走作戦をすすめることはできないが・・・。■ケニヤの勝ちパターンに持ち込まれては勝てない。分かり切っていることのはず。なのに何故誰も動かなかったか・・・。理由はケニア、エチオピアを倒すことより「選考が大事」だったからとしか思えない。みすみすペースメーカーになって、五輪代表つきのメダルまでプレゼントすることもないということだ。野尻が少し行ったが、残念ながら引っぱり切るだけの力がなかった。世界と戦える者がガンガンいっていたら、どうなっていたか・・・。五輪ならやったかもしれない。しかし、選考会ではできない。(続く)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091157>

「フル」じゃない展開!?2011/09/06 17:12

ハーフマラソンや10k(テンケー)、5マイル走、5000メートルでケニア選手に勝てる日本選手がいるのか。35キロのロングジョックのあと7キロのタイムトライアルをしてケニアに勝てる選手なら良い、しかし、現状はそうではない。スローペースの展開になったら、切れ味勝負になったら、スパートのタイミングが終盤になればなるほど、勝機は遠のく。42.195キロではなく、12キロとか10キロとか、もっと短い勝負になったら敵わない。いかに42.195キロの戦いに持ち込むか・・・。■かつて日本選手がオリンピック1万メートル金メダリストのデラルツ・ツル(エチオピア)をマラソンで破ったことがあった。ツルは本調子ではなかったかもしれないが、それでも切れ味を封じ込める作戦が成果をもたらしたのは確かだ。スタミナ勝負、力勝負に出た。ハイペースで押していき、更に勝負どころでじわじわとロングスパートをかけ休ませなかったからではなかったか。ポーラ・ラドクリフ(イギリス)がマラソン世界最速に駆け上がったのもトラックでアフリカ勢の切れ味に苦杯をなめ続けた経験とキャサリン・デレバのラストスパートが及ばぬ遥か前をハイペースで突き進むスタイルを追い求めたからだろう。(続き)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/07/6091151>

チーム戦略で負けた女子2011/09/06 17:07

五輪、世界選手権を通じて女子マラソンがメダルを取れる最後のチャンスを逸した。そんな歯がゆさを感じるレースでもあった。■女子マラソンの日本代表は前回銀メダリスト、横浜国際女子マラソンでも格の違いを見せた尾崎好美(第一生命)、北京五輪1万メートル代表、2011大阪国際女子マラソン優勝の赤羽有紀子(ホクレン)、世界選手権初出場の中里麗美(ダイハツ)、伊藤舞(大塚製薬)、野尻あずさ(第一生命)の5人。尾崎、赤羽は1万メートルで31分台のタイムを持ち、マラソンデビュー前は駅伝のスピード区間でも活躍した日本勢同士ならスピードタイプ。多少の切れ味勝負にも対応できるという淡い期待があった。■女子マラソンで優勝したエドナ・キプラガト(ケニア)はラストの2.195キロを7分13秒、残り7.195キロは23分23秒、30キロ地点通過後フィニッシュまでの12.195キロを40分08秒で上がっている。30キロからの10キロは32分55秒。日本選手権の1万メートル表彰台(3位争い)、国際千葉駅伝のアンカー(7.195km)なら区間賞に相当するものだ。30キロ走ってきてこのスピードでカバーするのだから恐れ入る。しかし、問題はその前にある。このペースアップを許してしまった展開。作戦、意識の方向はどうだったのか。(続く)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091149>【画像は11.8km(26.8km、39km)付近にあった韓国料理店、店内のテレビに映し出されていたマラソン中継をガラス越しに見た、ハングルの最後の文字は「チム(煮込み)」】

期待薄を跳ね返した男子2011/09/06 17:04

レース前々日の9月2日、男子の会見を聞いた。今回の男子日本代表は何れも初代表。アジア大会銀メダリストの北岡幸浩(NTN)、東京マラソンで2位、日本人トップの川内優輝(埼玉県庁)、同大会3位の尾田賢典(トヨタ自動車)、びわ湖3位の堀端宏行(旭化成)、4位の中本健太郎(安川電機)の5人。皆一様に入賞狙い。気概ない物足りなさを感じたが、そうではなかった。身の丈を知り取れるものは取るという強かなやり方だった。開き直り、弱者の反乱、「スパルタの300」「ラストサムライ」にみる潔い志といっても良いかもしれない。ハナから「メダルを取って五輪内定」など欲深い了見など無い。どれだけ拾っていくか、どれだけ我慢できるか。泥臭い、地を這う戦いだ。川内に象徴されるようにベストを尽くす、力を出し切る、邪心なき挑戦。健気で純粋過ぎる。それだけに共感も呼ぶ。入賞するには団体でメダルを取るためには・・・明確なビジョンと辛抱強い実践があった。(続く)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091147>

男女マラソンの明暗@2011世界選手権2011/09/06 17:00

陸上の世界選手権(韓国テグ8月27日-9月4日)、男女のマラソンをテレビで、そして沿道で見た。日本はメダルなし、入賞者1。男女とも似た成績だがワールドカップ(団体)では男子は銀メダルを獲得したが、女子は4位とメダルを逃した。男子の健闘した印象とは対照的に女子は「残念感」が強い。この印象の違いを私なりに考えてみた。要因はハッキリしている。男子は団体でメダルを目指して戦ったが、女子はそうではなかった。世界を相手にしていたのではなく、まず第1の敵は身内の日本勢だった。オリンピック代表選考会、世界選手権の舞台を借りてドメスティックな争いを展開せざるをえなかったからだ。(続く)<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091145>【観戦直後のブログに加筆】【画像:9月4日午前9時にスタートした男子マラソン】

世界選手権男女マラソンの明暗①2011/09/04 23:55

世界選手権の男女マラソンを観戦した感想を9月4日深夜にブログにアップしました。帰国後、加筆して項目も分けて書き直しました。読みやすくしたつもりですが・・・。興味のある方はこちらをどうぞ。世界選手権男女マラソンの明暗①改稿版<http://kondahomare.asablo.jp/blog/2011/09/06/6091140>