おくやみ2016/01/23 23:14

スキージャンプのレジェンド(伝説)、葛西紀明選手。私の中で、そのイメージはいろいろと変遷をたどってきたが今、感じている人物像を文字にするとそれは「情(じょう)」。情に厚く、情(なさ)け深い。人情味がある。情熱の情でもある。そして、ずっと変わらぬ印象は家族を大切に思っているということ。■13日に妹の久美子さんが38歳の若さで他界した。オーストリアで行われていた世界フライング選手権に出場していた葛西選手の左腕に喪章がつけられていた。18日の通夜、19日に葬儀がいとなまれたあと葛西選手が初めて出場したのが、きょう(23日)のHTB杯だった。優勝は逃したが142.5メートルの大ジャンプを披露し、ファンを喜ばせた。■伊東大貴選手に逆転を許し「悔しい」「勝ちたかった」と負けず嫌いなやんちゃな少年のようないつものような感想を口にした。「テレマークを入れられなかった。飛びすぎを警戒して消極的になってしまったのがいけなかった」と戦うジャンプ選手としての分析と「明日こそは」そして「ワールドカップへ」の思いを続けた。■久美子さんのことを問われると「妹が亡くなったからという特別なものはない」と話したが、ブログに記された言葉について聞かれると、多くの方から寄せられたコメントに励まされたことに謝意を表し、ジャンプ選手として励ますことができるようにと一層強く感じていることを明かした。気持ちもまた強くなれたと思うとも。■これは私の個人的な経験だが、大切な人との別れはリアリティが湧かない、受け止められないから、自分であえて認めないのかもしれないが、不思議な感覚になることがある。そして、ふと悲しみが襲ってきたり…。■葛西選手の人物像は、家族への深い愛情をもつ人であるということ、同時にジャンプ選手としてきっちりやるべきことを全うしようとする姿を改めて知ることになった。