マラソンコース考2019/12/02 01:34

WA(旧IAAF)などによる公認コースのルールを無視すれば、マラソンコースはワンウェイが本来のあるべき姿なのだと思う。「沿道を人で埋め尽くせ」などというのも、かならずしもそうでなくともよいと思っている。スタートくらいは出発を見送る人たちの賑わいは欲しいが、途中は、追い剥ぎがでかねないような人気(ひとけ)の少ない場所があってもいい。峠を越え、橋を渡り、村から村を通り過ぎて20数マイル、40キロを超える先に向かって競い合う。街道沿いに点在するオアシス、宿場町、駅、数キロごとに現れるそうしたエイド・ステーションでひととき歓声を浴び、あるいはその先の関門に向かうことを断念するかしないかの判断もあり、フィニッシュが近づくにつれ人も増え、最終的には祭典の主会場の都市(ポリス)の大観衆の前にゴールする・・・。IFの公認コースではないが伝統を貫くボストンはマラソンのあるべき姿を残しているし、オリンピックの中ではバルセロナ五輪のコースは印象的だった。30数キロ離れた港町をスタートし海岸沿いの道を片道コースで古都を目指す、市街地に入り、古いバルセロナ街を巡り、最後は丘の上のスタジアムにフィニッシュするというものだ。◇景観などもそれほど重要ではないとさえ思っている。これまでのオリンピックのマラソンで「景観」の印象はあったか・・・。北京の鳥の巣、ロンドンのバッキンガム宮殿などスタート・フィニッシュは流石にそうだったなぁとなるが、それこそバルセロの街やロンドンのビッグベンやアーケード内とかくらいかなぁ。シドニーのオペラハウスやリオのキリスト像など記憶に残っていない(個人差はあるだろうけれど)。むしろ、アンザックブリッヂ(シドニー)の登り、野口がスパートしたの下り坂(アテネ)など、景観ではなく登りや下りといったところ、何キロ地点には何があるといった目印の有無などではないだろうか。◇東京五輪の札幌移転にともなって新川通りが単調などと指摘されたが、周回コース、しかも4周も、5周も同じところをまわるループコースこそ単調と言わざるを得ない。気の遠くなるような辺鄙な荒野をも走り抜けてこそ都市に辿り着く高揚感が生まれるような気がする。◇一方で、五輪の運営を考えると給水ポイントは大会の係員ではなく各国の選手団スタッフがボトルなどを用意して割り当てられたブースで待機するなどの形式の可能性もある。エイドステーションの割り当てが5キロごとの場合、折り返しコースなら、行きと帰りで兼務で4箇所。10キロ4周なら2箇所へのスタッフを配置になる。2.5キロごとであればさらにその倍。世界陸連(WA)が6周だの7周だの言うのも選手ケアの面からも利点はあるとは思う。マラソンとしての面白みには疑問符はつくが、運営上のメリットを優先するのであれば、その主張もわからなくはないなとは思う。

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