東京五輪マラソンコースの特徴⑥大通からススキノへ_5km地点まで2020/01/01 11:00

大通公園の外周をおよそ2周(4キロ弱、石山通から南大通へのカーブが鋭角、距離調整では9丁目と10丁目の間を利用するかもしれない)。左回り(陸上のトラック競技と同様、反時計回り)、ビルと公園の樹木にかこまれ日陰の中を走る(と予測しているが東西に伸びる走路では日の光を浴びるかもしれない)。東西は1キロ近くあり長く、南北は100mなく短い。左カーブを6回した選手たちは札幌大倉山ジャンプ競技場を背に南・大通を東に向かうと札幌駅前通りを右折する。大通公園を会場とする夏祭り・ビアガーデンはどのように開催されるのか。五輪の原則、ベニュークリーン。東京五輪用に街はどのように装飾されるのだろうか。■3.5キロから3.7kmほど走った選手は右折し、札幌駅前通を南下する。中央分離帯があり、競歩コースと共有する。どちら側の車線をつかうのだろうか。左に三越、パルコ、選手の右側には北海道銀行、日の出ビルなど百貨店、ショッピング・商業ビルが連なる。狸小路の駅前通に面したビルは建設中で朝日がコースに注ぎ込んでいるかもしれない。南一条スクランブル交差点には路面電車の軌道が敷かれている。そこからススキノ交差点まで歩道と車道の間を普段は市電が走る。軌道は仮の埋め立てを行うだろう。毎年夏に行われる北海道マラソンでは参加する約2万人のランナーが動き出し怒涛のように南に向かっていくところだが、オリンピックでは約4キロ経過しており、選手のポジショニングを確認することになるだろう。89年の谷口浩美さん、95年の有森裕子さんらが優勝テープ切った中島公園の入り口に向かって1キロ強南下する。■ススキノ交差点を過ぎると中央分離帯はなくなる。両サイドは飲食店などが入るビルへ。ショッピングゾーンから歓楽街へと趣が変わる。沿道にはニッカの看板はじめ広告物が溢れている。ススキノらしいネオン街。オリンピックでは1度きりの通過だが、オリンピック仕様の装飾に覆われることになるのだろう。普段とは違う、スペシャルな装いに彩られるメーンストリートがどのように変わるのか地元民としては興味がある。■中島公園の入り口、T字路で左折。パークホテルの駐車場の角をすぐに右折。この辺りが5キロ地点。どのくらいのタイムでどんな選手がどんなポジショニングで通過するのかチェックしておいきたい。大通の周回で飛び出す選手がでるかもしれないし、それを駅前通りで追いかけ始めて、速めのペースで通過することも予想される。■ススキノ交差点で声援したければ地下鉄南北線すすきの駅がコースの真下。5キロ地点付近で応援したければ同地下鉄の中島公園駅で下車すると近い。ただし、地下鉄の出口が規制される可能性もあるのでどの駅、どの出口を利用するか、下調べが必要。ススキノは東豊線の豊水すすきの駅も利用できる。次の移動先が北海学園前や北13条などであれば東豊線を利用するのも一手。ススキノから札幌駅北口までは地下で繋がっている。地下道、地下歩行空間を利用する方法もある。また地名でいう南7条付近で駅前通の東側で観戦するのであれば、2百メートルほど歩けば、南7条大橋を渡って戻ってくる選手を見ることもできる、また狸小路(南3条))を西から東に移動すれば雨が降っていても濡れずに2箇所で観戦できるが、スタート、ススキノ付近で観戦した人たちが密集し、観戦できるかどうかは不明(箱根駅伝の日本橋付近状態も)■大通より南側の駅前通は1度しか通らないので次の観戦地点含めて観戦計画を練っておくとよい。

東京五輪マラソンコースの特徴⑦唯一の起伏_12kmまで2020/01/01 13:00

碁盤の目のように開拓された札幌。東京五輪のマラソンコースも直線と直角カーブ、平坦(高低差約40m)が特徴だが、5キロ地点から12キロ付近までの約7キロの間は起伏や曲線といった表情、アクセントがある(通過は1度)。■ススキノを南に駆け抜けた選手は中島公園の入り口で左折、札幌パークホテルの敷地脇が5キロ地点になる見込み。5キロを通過すると、かつて札幌最大のキャバレー「ミカド」、その後ビアホールになった跡地、ヤマハ跡地などを左に見て南下する。道がカーブを描いているのは池(中島公園・菖蒲池、旧中島貯木池)や川(豊平川)の間を通るため。豊平川沿いのマンション群と中島公園の間を抜け左折すると幌平橋。橋の前後で始めて自覚するアップダウンを迎える。6キロ〜7キロ地点の見込み。橋を渡るときは視界が開ける、同時に日差しを浴びることになるだろう。■幌平橋を渡り、中央区から豊平区に入る。上りより、下りの方が急に感じるだろう。傾斜している距離は短く、高低差も小さい。橋を渡る前が地下鉄南北線の「幌平橋駅」橋を渡って下り終わった交差点が同地下鉄の「中の島駅」。選手は中の島の交差点で右折して、中の島通に入る。このあたりも3階建て以上の建物(雑居ビルや学校の校舎・体育館など)があり、日陰になると予想される。北海道科学大高校を通過するとほどなく左折。8キロ地点くらいにコースの中でもっと勾配のきつい坂を迎える。■およそ500mの間に約10メートル登る(超・概算)。このコースにおいては唯一の坂らしい坂だが、他のロードレースや駅伝などではごく当たり前の傾斜。士別ハーフの3キロ地点よりやや登っているかもしれない。クイーンズ駅伝3区で言えばスタート直後の数百メートルより少しキツイくらい。箱根1区の八ツ山橋や六郷橋くらいのイメージでいいと思う。2区権太坂、戸塚中継所前、5区箱根などとは比較にならない。序盤でもあるし、1度しか通らないので勝負を左右するポイントにはならないだろう。ただ、大集団となった場合、進まない選手、進んでいく選手など上り方のリズム違いで接触はポジションどりの変化はあるかもしれない。また、走りかたそのものも短くはあるが登り対応に変わる。■コースの中でもっとも南側を走り左折。ここが最も高い地点でスタート地点からは約30メートル上がっている。最寄駅は地下鉄南北線「南平岸」。線路が地下から地上に出てシェルターに覆われた高架に変わった札幌地下鉄の特徴的な場所でもある。左折〜上り坂〜左折のあとは進路を北にとる。札幌は南が高く、北が低い。豊平川は南から北東に流れる、という土台の通り、進路を北にとるということは下り基調になる。とはいって傾斜は極緩やか。通りの名は「平岸通」、平岸街道と呼ぶ人も多い。歩道には街路樹、中央分離帯にはリンゴの木が植えられている。高いビルも多い。早い時間なら東からの日差しはビルの影で遮られるが午前7時半ごろ、太陽はどの高さにあるか。南北に伸びる道なので後頭部から日差しを受ける可能性もある。追い風なら体感温度は高くなることにも備えておいた方がよい。■序盤、変化が起きるかもしれない。■北海道マラソンでは5キロ手前で、コメンタリや注目選手の紹介をしているなどまだレースの動きの詳細を紹介していないことが多い。オリンピックではスタート直後、大通を周回することで、4キロほど距離をこなしている。それでも8キロ、9キロといったところ。ただ、序盤とはいえ「自覚する」急な上り直後のなだらかな下り。意図して、あるいは意図せずテンポアップしてレースが動く、集団が崩れるのではないかという予感がある。■平岸通は2キロあまり(約2.5km)、10キロ地点はこの中間くらいのところ。地下鉄南北線の「平岸駅」、地下鉄東豊線「学園前」の間。少し歩くが両駅ともコースの下に駅がある。地上に出ればコースとなる。南北線を使って次の地点に行くか、東豊線で移動するかによって利用駅を選択するとよい。ちなみの陸上男子走り幅跳びで世界記録を樹立、三段跳びのロサンゼルスオリンピック金メダリスト南部忠平さんの出身中学(北海高校)の前を通る。■選手は緩い下りでペースアップしてT字路に突き当たる。正面は「豊陵公園」。この公園の周囲を回るように右折、左折して南七条大橋で豊平川を渡る。連続カーブと橋の前後の登り下り。何かしら動きが起きると思うのだが…。ただ、距離は11キロ付近、序盤で早くも動きが出たとしてもその選手が逃げ切れる保証などない。ただ、橋を渡って札幌の中心部に再び入ってくるとき集団を引き連れ、「お国入り」する選手はだれになるのだろうか・・・高揚感はある。

東京五輪マラソンコースの特徴⑧創成川に沿って_16kmまで2020/01/01 15:00

15kmを前に、意外にも、あっさり、遅れる選手が出るようなことがあるのか。あるいは1周目は静かに進行して行くのか。かつてリンゴ生産量東洋一を誇った札幌・平岸。豊平川の東岸高台を南北に伸びる平岸通を約2.5km、北海高校、北海学園前を抜け、南7条大橋を渡って札幌の中心部に戻るとおよそ12キロ。コース形状や起伏のアクセントがある1周目の大ループの内、1度だけ通る前半部が終わる。■豊平区から南7条大橋を渡って札幌の中心部にもどると選手たちは創成川に沿って北上。北海道マラソンでは創成トンネルを利用するが、オリンピックではトンネルは潜らず地上を走る。■創成川は、豊平川から取水し、中島公園の菖蒲池、鴨々川を流れ南7条から北へ真っ直ぐにのびる人口河川。江戸時代末期に大友堀としてつくられ、北海道開拓の中核、札幌本府建設の中核をになったばかりか、防火・風致・灌漑などにも大きな役割を果たしてきた。■南7条大橋を渡った選手たちは橋の前後にある坂を下りながら右折。進路を北に変える。南6条から北24条まで約4キロ以上、創成川に沿って走る。創成川は札幌の地名を東西に分ける。選手の進行方向、左側は西1丁目。右側は創成川が流れている。創成川には柳の並木が続いている。長い直走路だが沿道の表情が多彩、変化の富む。■創成トンネルに入らず左車線にスライドしながら側道に入る。すぐに国道36号と交差。交差点を渡ると南4条から北1条まで、選手の右、創成川は公園化されている。狸小路、二条市場、創成橋(南1条)、テレビ塔がそびえる大通とあっと言うまに過ぎていく。狸小路と創成川の対岸は地下道が通じているので交通規制されていても歩行者は二条市場側へ移動することができる。テレビ塔から北は2周目以降のループコースとして重複する。大通から北は3回走る。1周目はまずは様子見になるのかもしれない。テレビ塔の北側はNHK、2018年秋にオープンしたした創成スクエアと続く。創成川の公園は北1条で終わり、創成トンネルの出口が顔を見せる。以降は川側に歩道など歩行者エリアはなく、声援は選手の西側からのみ。■道幅が広いのと、南から北へ向かうことから朝の日差しを後頭部に浴び続けることになるだろう。■トンネル出口と合流すると前方にJRの高架が見えてくる。創成川通には横断歩道橋が交差点ごとにいくつか架かっている。通常マラソンでは歩道橋の上での観戦は禁止される。北3条西1丁目にあるホテルは創成川に面したところにテラスがあり、観戦者にスペースを解放するなど、企画が催されるかもしれない。■JR高架下を通過。その先、北海道マラソンでは北8条で左折するが、ここも真っ直ぐ進む。この辺が14キロ地点。北8条を通過すると4車線から2車線に車線が減少する。歩道も狭くなる。創成川には並木が続いている。2011年までは北海道マラソンでもここを通った。選手の西側にはマンション、北九条小学校、藤女子大学など比較的高い建物が、東側は川と川の対岸に南進する車線が続いていて日差しを受ける。特に北13条辺りからは川の並木もなくなる。■15キロ地点は藤女子大付近になると予想される。15キロ地点は2周目が25キロ地点、3周目は35キロ地点。25キロ、35キロとも五輪では大きな変化が起きる地点でもあり、抑えておきたいポイントではないか。更に1キロほど北上すると北24条。コースの中でもっとも北に位置する。ここで左折して進路を西に変える。この先、北24条は居酒屋など飲食店を中心とした商業地区。かつては飛行場があったこと、北区の公的施設が集中していることなどもあり、賑わいがある。■創成川南7条は南北線中島公園駅、すすきの駅が徒歩圏内。もっとも近いのが東豊線豊水すすきの駅。スタート直後に札幌駅前通りで観戦していればそこから徒歩で移動できる。■地下鉄南北線は北24条駅まで観戦場所に応じて駅をチョイスするなど利便性は高い。ただ、観戦者、五輪以外の利用者でごった返す可能性も否定できない。■東豊線も北13条まで創成川と並行して走っている。創成川には東豊線の方が近い。ただ北13条駅はコースの東側、創成川の対岸になるので、歩行者導線を確認しておく必要がある。3周目が終わったあと、フィニッシュエリアにもどる際は南北線よりスムーズかもしれない。