南部忠平記念陸上競技大会2015/07/10 00:00

1932年のロサンゼルス五輪で金メダルに輝いた南部忠平氏を記念して1988年から毎年開催。第1回大会には南部忠平氏、織田幹雄氏も姿を見せた。ウイリー・バンクス、エベリン・アシュフォードら世界的なアスリートも訪れ、世界記録、日本記録も誕生した。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

女子100mH木村文子2015/07/10 00:10

先月の日本陸上選手権、女子100mHの決勝で悲鳴が上がった。ロンドン五輪代表、13年のアジア選手権優勝、去年のアジア大会、今年のアジア選手権で銅メダルを獲得している木村文子が最初のハードルをいきなり引っ掛けると、次のインターバルは4歩(普通は3歩で同じ足でハードルをまたぐ)。反対の足になった2台目には、まともにぶつかり前方に転倒した。2013年の全日本実業団の悲劇を知る者もいただろうし、世界選手権の代表がかかった大事なレースでのアクシデントへの悲鳴だったのかもしれない。■大怪我をした2年前の実業団とは違い、木村は起き上がる。3台目のハードルは一旦、後ずさりして助走、加速し直しリスタート。およそ20秒もかかってフィニッシュまでたどり着いた。失格。記録は残らなかった。「思い切り行こうとした結果なので・・・」。顔面蒼白、起きてしまった現実に呆然としながらも、毅然とした態度を保ちインタビューに答えた。「3カ国に出る」。それはそこで記録を出して世界陸上の切符を掴んでみせるという決意の現れに違いない。■木村文子はグランプリシリーズのゴールデングランプリ川崎で日本人トップ。世界選手権参加標準記録の13秒00をクリアすれば第2次世界選手権代表に加わる条件を満たす。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

女子100mH紫村「先生」!2015/07/10 00:21

女子100mハードルの日本記録は札幌で誕生した。13秒00。2000年8月16日、金沢イボンヌがシドニー五輪代表を決めた。以来、15年、日本記録は破られていない。男子100メートルの9秒台。200メートル19秒台。記録の壁を破るのは誰なのか注目されているが、女子100mハードルで日本人初の12秒台を誰が記録するのか、これもまた注目。今夏北京で行われる世界選手権の参加標準記録が奇しくも13秒00。日本女子ハードラーにとって、北京への条件は日本記録(タイ)となっている。■歴代記録1位の金沢、2位の池田久美子はすでに引退している。現役最速は日本記録からわずか100分2秒差の13秒02。歴代2位タイの紫村仁美(佐賀陸協)。ことしの日本選手権で2年ぶり2度目の優勝を果たした。■早稲田大学を卒業し故郷、佐賀で高校教師をしながら世界を目指している。朝6時前に起床し、7時前には出勤する。生徒や教職員、地元のスポーツ関係者の応援に支えられている。■一昨年、日本選手権を制し、一気に日本記録樹立の勢いに乗った。だが、好事魔多しである。去年の冬季トレーニング中、倒立腕立て伏せをしている時に転倒。足の小指を強打し、骨折した。走力がついて成長したハードラーが冬季練習をできなくては勝負にならない。昨季はそれで足踏みしたが、ケガが癒え、今年は基本にしている走力がアップした。「走りがしっかりした」のが日本チャンピオン返り咲きの要因でもある。日本選手権後、3カ国で記録を狙うと宣言した紫村「先生」の走りに注目だ。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

アジア大会金銀銅そろい踏み2015/07/10 01:11

南部忠平ゆかりの種目、男子三段跳は超豪華な顔合わせとなった。去年のアジア大会金メダルの曹碩(中国)、2位董斌(同)、3位金徳現(韓国)の金銀銅メダリストがそろった。日本選手権優勝の石川和義(長野吉田AC)、2020TOKYO期待の山本凌雅(順天堂大)と楽しみな顔ぶれだ。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

女子100mに韋永麗2015/07/10 01:35

今大会屈指の注目種目が女子100m。地元・北海道ハイテクAC、福島千里の参戦はならなかったがアジア大会金メダルの韋永麗(い・えいれい)が出場。アジア最速の走りを披露する。注目の医学生、宮澤有紀。オープン出場だが地元北海道の北風沙織ら目が離せない。リレーがどんな組み合わせになるのかも気になる。■韋永麗(い・えいれい)ロンドン五輪中国代表。1991年10月11日生まれ23歳。2014仁川アジア大会女子100m金、200m銀。日本のテレビ番組にも出演し、キュートなルックスも評判に。■日本勢は「初」の「日の丸」、医学生(富山大学医学部)の宮澤有紀24歳。今年の日本学生選手権優勝(11.60追参)、日本選手権でも予選(11.67PB)、準決とも組1位で通過し、決勝では女王・福島千里に迫った(2位、11.77)。中学時代に全国3位になったこともあったが高校時代ほとんど走ることができなくなってしまった。その経験から医学の道を志した。飛躍のきっかけは、初めてちゃんとしたトレーニングを積めた点と自身の走りの分析から。「いい走りの原因がわかった」「頭と体が一致した」という。これまで接地の際に後傾気味になっていたが、上体を足の真上にくるように意識を変えた。接地の際の上体の位置を変えたことで地面の反発力を生かせるようになったのではと分析する。座学の多い4年までとは違い実習が多くなる5年は学業も多忙な日々が続く。それでもどこまでできるかチャレンジする。福島を追う選手の登場が待たれる日本女子短距離界に希望をもたらす存在として脚光を浴び始めている。北の大地でアジア最強に挑む日本「医科学的」スプリントに注目だ。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

ターゲットは49秒502015/07/10 18:23

ロンドン五輪代表の岸本鷹幸(日本選手権2位、連覇は4で止まる)。ロンドン出場当時世界ランク5位の記録だったが、大会前に左太もも肉離れ、オリンピックでは最初のハードルを倒し、足を引きずりながら完走した(記録上は失格)。リオで借りを返すと再スタートを切ったが、ケガに悩まされ続けた。今年の冬季練習では、翌朝起きると突然、歩くこともできないほどの痛みに襲われた。先月の日本選手権はスパイクを履いて全力で走るのは「ぶっつけ本番」のような状態だった。予選は直線だけで通過。決勝は前半からかつての雰囲気を感じさせる走りをしたが、さすがに練習不足。「敗因はわかっている」というようにフィニッシュ直前で逆転を許した。敗れた悔しさはもちろんあるが、無事走り切れたこと、走り終え痛みが出ていないことに喜びを感じ。再スタートが切れると充実感をも見せていた。▼世界選手権代表入りに追加されるには参加標準記録の49秒50クリアが条件となる。日本選手権優勝(49.76)の松下祐樹(チームミズノ)にとっても手の届かない記録ではないはずだ。日本選手権3位の小西勇太(住友電工)はアジア選手権優勝で記録クリア同等とされ世界選手権の代表に決まった。世界と互角に戦う期待の種目だけに厚別で2人同時に条件クリアといったシーンが見られるかも。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》

医学生スプリンター2015/07/10 23:13

女医ナー!?へ
宮澤有紀(富山大学)医学部医学科5年生、長野・千曲市出身。小学4年から陸上を始め、中学では全国中学選手権で3位に入った。高校1年の県大会まではなんとか練習もできた(北信越出場)が、原因不明の体調不良に悩まされた。「生きていることが精一杯」で陸上どころか、通学もままならない状況だった。体調不良は病名の診断もされず、「自分で解明するしかない」と医学の道を考えるようになった。■卒業後、2浪をして富山大学へ。再びスポーツができるなどと考えることもなかったが、大学に陸上部があり、「やはり『好き』だったからだろう、足が向いていた」。体調の方は、生活習慣などを工夫してきたこともあり、改善された。大学2年の北信越学生大会で、中学生の頃の自己記録12秒31を更新。3年、4年と足踏みをしたが、4年から5年にかけて「初めて」冬季練習ができた。その結果もあって今季記録がのびているのだという。■それまで技術について考えることもできなかったが、去年の秋ぐらいから技術を求めるようになった。それが今年の学生個人選手権あたりから、「頭と体が一致するようになった」のだと思う。日中韓では初めて日の丸をつける。昨シーズン、コンチネンタルカップに出場しているが(四大陸対抗でその時はアジア太平洋地区代表のリレーメンバー)、やはり日の丸は緊張感がある。いい緊張で臨みたい。個人は韋永麗とは川崎で一緒に走っているが、もっと近づけていると思う。■リレーは責任重大なので力を発揮したい。日本選手権レベル以上はだせるようにしなければと思っている。日本記録くらいはださないとダメだといわれているので、4分の1の大役を果たしたい。●武井壮の陸上魂!!7月13日深夜放送《日中韓3カ国交流/南部忠平記念 陸上競技大会 (7月12日、札幌厚別公園競技場)》