1位で締めた高木美帆2010/12/30 17:41

2010年最後のレースを高木美帆は第1位で締めくくった。「2010年は初めてのオリンピック、初めてのワールドカップ遠征、いろいろな国を転戦していろいろなレースを経験できた。長く感じたが、その分充実していた」と丁度1年前の五輪選考会から激変した1年を振り返った。■2010年の締めくくりのレースとなったのは28日、29日の両日、盛岡県営スケート場で行われた全日本スプリントの4種目目、女子1000メートルの第2レースだった。初日は500が3位、1000が2位で総合3位で折り返したが、2日目の500メートルは立ち上がりの加速から上手く行かず、追い風を受けるバックストレッチ、コーナー、そして立ち上がりも伸びを欠き4位と課題を残すレースとなった。■そして迎えたのが女子1000メートル。総合首位の小平奈緒選手との同走。大会前には「最後のレースはしっかり滑ってスッキリ年を越したいね」と友達とも話していたという高木選手。第一人者の小平選手の姿を追って諦めず、最後まで足を使って滑り切った。疲れ知らずの16歳!若さの特権とも言うべきか、攻め続けるレースで力を出し切った。「もう少し落ち着いて滑っても良かったのかな、タイムの上でも雪の降っていた昨日以上のものを出したかった」とまだまだ満足するわけにはいかないが、結果は選考会以来の1位※。一番上の順位に「凄く嬉しい」と微笑む。■2日間大会の4レース目、最後のコーナーで向かい風を受けるコンディションの外リンクで、インスタート&イン上がりという条件ではあったが、そうしたチャンスに諦めずに攻めきることができるところも素晴らしい。■2010年はスポーツファンにとっても高木選手のおかげで充実した1年になった。バンクーバーオリンピックの盛り上がりに果たした役割の大きさを否定する者はいない。■最下位に終わったデビュー戦。100分の1秒の差と世界に挑む日本スピードースケーターの熱いハートに動かされた五輪。そして中学卒業と高校入学。フォーム改造とスケートトレーニングに打ち込んだ夏。初めてのワールドカップでは世界のトップ選手の姿を更に間近に感じ、「これはやれるかも」と道筋と手応えも掴んだ。■まだまだ開発途上のヒロインの可能性に夢が広がる。2010年を見る者にとっても充実した1年にしてくれた高木美帆選手に感謝するとともに、更に飛躍していく姿に声援を送りたい。◆画像は全日本スプリント女子1000m2ndレース表彰(左から)小平奈緒、高木美帆、仁科有加那※<選考会以来の一番上>本人談。アジア距離別選手権やW杯Bでの1位はあるが、小平を含む全日本級、および世界トップ選手の中での1位は1年振りと言う意味か。【加筆1月1日】2010年のブログ1回目を振り返って見たら高木美帆選手の話題だった。ブログの締めも高木選手。高木美帆に始まり高木美帆で締めた。