大菅小百合選手引退2011/06/02 22:24

所属の大和ハウスのHPやご本人の公式ブログなどで伝えられていますが、スピードスケートの大菅小百合選手が現役を引退するそうです。淋しいですね。◇印象深いのは2002年のソルトレーク五輪。ソルトレーク南部のオリンピックオーバルで直にレースを見ることができました。大菅選手はスタートでつまずき不本意な結果に終わりました。全てのレースが終わり、お客さんの多くも引き上げていくなか私たちはスタンドで応援していたご家族に何かお話が聞ければとそばにいました。すると突然、通路に続くゲートから大菅選手、ご本人が現れました。選手と家族、涙を流して抱き合いました。応援のお礼、無念さと努力してきた日々へのねぎらい・・・言葉もなく、それでも十分その気持ちは周囲にいる者にも伝わってきました。◇私たちは絶好の撮影ポジションにいたのですが、反射的にカメラを持っていた同僚に「撮影するのはよそう」と言ってしまいました。その夜、なぜ撮影を止めてしまったのか・・・と後悔の念にかられました。◇この冬、大菅選手を国内の試合会場で何度か取材すべきかどうか考え、なぜか躊躇し、話を聞かずにシーズンが終わりました。躊躇せず聞くべきだった・・・という思いに苛まれます。◇ソルトレーク五輪のとき、札幌に残った同僚は大菅選手の出身地の子どもたちを取材しました。その子どもたちの様子を伝えたニュースがソルトレークの失意から大菅選手を勇気づけたというエピソードを聞いた記憶があります。◇がんばってきたこと、挑戦してきたこと、言葉はなくてもわかってくれている人たちはいるのだと思います。

チャンピオンは16歳2011/06/04 02:33

北海道女子アマチュアゴルフ選手権の最終日が3日、札幌国際カントリークラブ島松コース(北広島市)で行われた。札幌光星高校2年、JGA(日本ゴルフ協会)ナショナルチームのメンバーでもある藤田光里選手が3連覇に挑んだ。■初日74でトップ。2日目はボギーが多くて反省と言いながら1ラウンド自己最多の8バーディで69の自己2番目のスコアをマーク。最終日は2位と10打差、大きくリードを広げて迎えた。独走になると逆に不要な不安が沸いたり、だらしないゴルフはできないと考えたり、選手心理に影響を及ぼすものだが、「周りを気にせず集中してゴルフができた。これまでの優勝より少しは成長できたと思う」と話した。3日間の大会となってアンダーパーでの優勝は初めて盤石の勝利。中学3年で史上最年少優勝を果たした09年からこれで3年連続優勝。連覇の記録は現在プロの中田美枝選手の4連覇を残すのみだ。■このあと日本女子アマ選手権では昨年のベスト32以上、ベスト16を飛び越え8強入りを目標に掲げている。【画像、優勝盃を持つ藤田光里選手。左は2位タイで妹の藤田美里選手】74/69/72 215(-1)

PBランク3位は北風沙織2011/06/08 22:26

陸上の日本選手権が10日-12日に行われる。注目度が高いのが女子100メートル。取材が大変だろうなぁ。福島千里選手一人の注目度だけでも高い上に、新鋭の市川華菜選手にもスポットが当たっている。高校1年の土井杏南選手。もちろん高橋萌木子選手の存在を忘れる訳にはいかない。更に・・・リレーメンバーの選考にも影響するだろうから、2、3、4、5位争いも見逃せないのだ。◇自己ベストランキングは①11秒21②11秒32③11秒42④11秒43⑤11秒45。①は福島、②は高橋。そして③は成長著しい市川ではなく、2008年の記録だが北風沙織選手なのだ。一方、エントリータイムの上位では福島、高橋、市川に次いで4位は渡辺真弓選手(東邦銀行)。◇4月の織田陸上で渡辺は予選で敗れB決勝に回ったが、そこではトップ。北風はその織田陸上で3位(日本人2位、11秒40w)となり、GGP川崎(等々力)では400mRの1走をつとめ日本記録に貢献した。151センチの小さな(元)アイドルスプリンターが苦難を越えて走る姿は希望そのものだ。◇スネも完治した訳ではなく、まだ本来の走りはできていない。それでも去年の決勝進出は能力の高さを証明しているし、その去年よりは格段に良くなっているはず。何より気持ちの復活が走りを「復帰」から「復活」へと導いてくれるのではないだろうか。

実力者たち2011/06/11 02:32

「為末さんが出場する、(一緒に走れる様に)決勝につながる走りをしたかったが、残念」。男子400mハードルの成迫健児はヘルニアの影響を埋められず予選敗退。■「全然、走れなかった」、「なんともコメントがない」。スタートラインに立ったときには「今の力を出し切るしかない」と考えたという佐藤真有は前半レースをリードしたが失速。「応援して頂いたのに申し訳ない」と肩を落とした。震災の影響は一切口にしなかった。■「もう行くだけの世界選手権やオリンピックは終わった。世界の舞台でファイナルを目指すにはどうあるべきか。それを意識したときにどんな結果を求めていくのかだと思う」北京400mR銅メダリストの高平慎士は200予選を通過後、翌日のレースのあり方について話した。「『楽しそうに走っているのしばらく見てないな』と言われてしまった、そろそろ"楽しそうだな"という走りをしたい」、「やっと北京の整理がつき始めた気がする」。男子200も面白そうだ。

先に結果を求めない2011/06/11 03:02

テニスの杉山愛さんが子どもたちに伝えたことの1つ。テレビにゲスト出演しているなかで紹介されていた。■母校を訪れた杉山さん、小学生たちにテニスのサーブのテストをさせた。それまで狙い通りのにサーブを決めていた子どもたちが次ぎ次ぎに失敗してゆく。練習ではできていたのに。杉山さんは「高い目標を掲げることは素晴らしい」と話した上で表題の「でも、先に結果を求めてはいけない」と話した。やるべきことに力を注ぐ。結果はそのあと。■テストを再開。子どもたちのサーブ成功率は格段に向上した。結果、目標の成功回数にあっさり到達した。

アスリートのことば2011/06/18 15:53

10日から12日まで埼玉県熊谷で行われた陸上の日本選手権を取材した。競技を見て、ミックスゾーンと呼ばれる競技者が引き上げていく途中にある取材エリアで話を聞いた。■競技者の発することばには力がある。話が上手いとか、ことばがきれいだとか、そういうことではない。ときにことばにならない表情や声の震えや強弱のなかにも「強い伝達力」がある。■10連覇よりも、その時々に環境も自身のコンディションも、いろいろあるなかで、1つ1つ優勝できてきたこと、特に今年は苦しい中で出場にこぎつけ、結果として優勝もでき、それが父の連覇の記録に並ぶ結果になった、ありがたいことです。(女子円盤投げ優勝、室伏由佳)■こういう言い方をすると語弊があるかもしれないが、これまでほどプレッシャーを感じなかった。1位を守るとか、追われる立場とか、そういう考えではなかった。皆が世界を目指すのなら、私も一緒に世界を目指そう。皆と同じように私もひとりの挑戦者なのだ。また鍛え直して更に強くなりたい。(女子100m200m2冠、福島千里)■ひとりで走っている訳ではないと強く感じている。今季は思うように走れないことが多かったが、なんとかしたかった。自分の中ではこれが始まり。(女子400mH5連覇の久保倉里美)■走れない理由がわからない。こんなことは初めてで分からない。気持ちの整理がつかない。多くの人の励ましや支えに応えられないことにいらいらするというか、こんな自分はイヤです。(3連覇中の女子100mHで準決勝敗退の寺田明日香)■いろいろな思いがあって、背負うものがあって・・・、メダルをとったあとは難しい。分かり合える人も少なくなっている。築いてきたものを引き継いでいく責任というか、正直、重圧があった。これまで全然楽しくなかったが、陸上を始めた頃の純粋な気持ちを思い出して、楽しく走ろうと考えた。4年前もアジア大会で躓いて立て直す難しさを知っていたが、こんなに大変だとは・・・。気持ちとは逆にレースにいけば、経験も活かした。「ウォレス・スピーアモン」みたいなレースをしてやろと思って、嵌った。きょうは楽しかった。(男子200m終盤ごぼう抜きを演じて優勝した高平慎士)

点滴2011/06/18 18:44

47歳にして初体験。先日、カゼでKO(6/4頃発熱)。「点滴しますか?」ときかれお願いしますと・・・(6/7)。この10日間くらいは大変でした。

絹川愛、日本歴代4位2011/06/22 20:18

ホクレンディスタンスチャレンジ第2戦の女子1万mで快記録が生まれた。先日の日本選手権女子5000mを制した絹川愛が31分10秒02をマーク。これは渋井、福士、川上に続く日本歴代4位。上位3人がいずれも海外での記録なので、おそらく「国内試合日本人最高記録」だと思う(渋井、福士、川上のセカンドパフォーマンスなどを確認していないので・・・)(←最高ではなく3位でした。情報提供23日)。今季世界ランク5位。■「(ウイルス性体調不良)3年前のようにいつ何が起きるかわからないので、いけるときに行こう!と思っていた」と言う。苦しんだ日々については「それも絹川愛!、ダメな時期があっても、見捨てず、支えてくれた方のお陰」「きょうの応援も力になった、網走、良いところです!」とインタビューに応える。■高校時代を過ごした宮城のことを問われると「私の住んでいた多賀城のアパートも流されてしまった、私、自身もショックを受けた。(競技でも)ケガや苦労があって、明日も見えなかったけれど、諦めさえしなければ、明けない夜はない。私、自身も一緒に、頑張っていく。ちっぽけな存在だけれど勇気になれたらいい」と話した。【6/23追記】▷▷▷国内日本選手パフォーマンスについて情報を頂きました。福士選手が30分57秒90(2006年全日本実業団)、31分05秒68(2004年兵庫リレーカーニバル)で走っているそうです。従って今回の絹川選手の記録は国内日本選手パフォーマンス3位です。コメントを参照ください。ツイッターのダイレクトメッセージには計測工房の藤井拓也さん@timingmanから情報をいただきました。ありがとうございます。

ホクレンディスタンスチャレンジ2011/06/23 16:59

昨日(22日)のブログは、直接取材ではなく、雨の中取材にあたった北見のスタッフを通じての2次情報。記録は大会リザルトも参照した。■国内大会の日本選手歴代パフォーマンスについて、ツイッターのメッセージやこのブログのコメント欄に情報を寄せて頂いた。ありがたい。■22日の網走は雨模様。涼しい夏の北海道各地を転戦、ペースメーカーが用意され、ペース情報をゴールデンゲームズ延岡での宗さんのように場内放送で実況しながらレースが繰り広げられる。フィニッシュ後は会場のファンに向けてインタビューが行われるが、聞き手はコーチ陣、陸連の強化委員の方たちが担当する。今回、絹川選手にマイクを向けたのはワコールの永山忠幸監督。雨に濡れ、カッパ姿でインタビューしていた。■国内日本人パフォーマンス1、2位、及び今季日本人ランク1位は福士加代子選手だから、この2ショットも巡り合わせを感じる。■ペースは前半が1キロ3分10秒をややオーバーする流れで5000mの通過は15分45秒前後だったようだが、後半は3分10秒を切っていき、ラスト1000mは3分を切る上がりだったらしい。後半の5000mは15分25秒くらいというネガティブスプリット(後半ペースアップ)を刻んでいる。記録狙いのレースとはいえ、絹川選手の好調を伺わせる内容だった。

一喜一憂しない2011/06/26 00:25

24日のプロ野球中継の本社担当を終え、今朝(25日)は飛行に乗り本州へと移動を開始した。関西入りし、宝塚ゴルフ倶楽部へ。日本女子アマチュアゴルフ選手権の決勝(36Hマッチプレー方式)が行われていた。一便で伊丹に入れば良かったのだが、残念ながら試合の様子は全く見ることができなかった。試合終了に間に合わなかった。しかし、勝負を終えたその日に、その日の競技者の顔を見る、話を聞くことは意義がある。■優勝は本部高校3年の比嘉真美子選手。勝利への強い意志をもって臨んだ大会でストロークプレーからの5日間の長丁場、約8ラウンド(125ホールズ)を計画的、戦略的になおかつ1つ1つ淡々と積み上げて目標に到達した。服部道子、大山志保、ウェイ・ユンジェ、宮里藍、宮里美香、諸見里しのぶらが並ぶ歴代優勝者の中にその名を刻んだ。【以下、文章を分割しました⇒一喜一憂しない②から④へ】