織田陸上にて①異変 ― 2011/04/30 23:33
織田幹雄記念国際陸上で異変が起きていた。福島のふくらはぎケイレンによる決勝棄権のことではない。日本人トップとなった市川華菜(中京大)の躍進だ。タイムは追い風参考ながら11秒28。追い風とはいえ11秒2台へ突入は立派な記録だ。東海学生春期大会での快走が本物だということを証明してみせた。今、日本陸上界で最も活力があるのが女子短距離。その女子スプリントがチームで目標にしている400Rでの標準記録突破と世界挑戦。オリンピックには1964年の東京以来出場が途絶えている。勢力図が変わってしまうくらい新しいタレントが成長してくれば更に面白くなってくるのだが・・・。
きっと大丈夫!織田陸上にて② ― 2011/04/30 23:37
「うれしかったことも、あまりうれしくなかったことも、良い経験になった」。2010年を振り返って話した福島千里選手のコメントを改めて思い出す。■29日、広島で行われた織田幹雄記念国際陸上、過去3年は08年が日本タイで初優勝。09年が当時日本最速の11秒23w。去年が日本新記録の11秒21。相性抜群である。■ところが、今年は決勝スタートの直前に左足をケイレンし、大事をとって棄権。今年最初の試合は予想外の結末が待っていた。■中村監督は「ケイレンしていてもそれなりに走れたと思いますが、取り返しのつかないリスクを負う訳にいかない」と指導者の責任で止めさせた。「肉離れだとか、ケガだとかではない」と強調した。■無念だったろう。監督からは「1番の選択」と言われたという。気丈に取材陣の前に立ち「この大会がすべてではない」と自らを納得させようとしているようにも見えた。「調子が良かっただけに残念では?」という質問には「走るたびに記録を出せる人間ではない」と「絶対」という保証のない競技の厳しさを自らを責めるように答えた。■これは私の勝手な想像なのだが福島選手はいろいろなところに気を配っているというか、よく見ている。インタビューのコメントがゆっくりなのも発言の影響で誰かを傷つけたり、不愉快にしていないか気を使いすぎているからではないだろうか。特に好事のときには発言が少なくなる。更に今年は「何も言わずに行動、結果で示す」という姿勢が伺える。■残念でない訳がない。調子が良かったからではなく、記録が期待されていたからでもない。どんなレースでも1つ1つそれぞれ意味があり、大切なのだ。だけど自分を責めてはいけない。そして、また同じことが起きるかもしれないと臆病になってはいけない。■それにしても、歴史を切り開こうとする者の前にはどうしてこうも課題が次々と突きつけられるのだろう。それを越えてゆけ!ということなのか。■150キロを超える直球をビュンビュン投げる日本ハムのダルビッシュ有投手だって開幕戦は7失点だった。しかし、その結果を受け入れ、更に「絶対的」エースになった。■考えてみれば、2008年に日本のトップに踊り出て、まだ1オリンピアードも経っていない。まだまだ経験しなければならないことがあるのだ。これまでだって悔しい思いのあとにかならず大きく成長してきたじゃないか。■絶対!と言ってやれないのが残念なところなのだが、きっと大丈夫だ。うれしいことがかならずある。
最近のコメント