国体での江里口匡史選手2011/10/15 02:43

今年7月の南部陸上、女子短距離日本代表のリレーチームと並んで注目を集めたのが、男子100mの江里口匡史選手(大阪ガス)だった。■ケガを克服し日本選手権で3連覇を果たしたが、世界選手権の参加標準記録(A10.18/B10.25)に届いていなかった。6月の布勢スプリントでは福島千里選手は11秒1台に入りながら、追い風で参考記録にとどまったが、対照的に江里口匡史選手の場合は向かい風が吹いて記録を阻んだ、他のレースが追い風だったのに、ナゼか向かい風に変わってしまった。神戸のアジア選手権では機器不調のフライング騒動に巻き込まれて記録も、また記録相当とされるアジア選手権チャンピオンも逃した。■だから、函館では江里口選手の記録に期待が寄せられていた。2本走った100m、予選は10秒28であと100分の3秒に迫った。決勝でも好スタートを切ったが、両ふくらはぎを痙攣しペースダンウン。37秒44でゴール。オリンピック、世界選手権では1983年ヘルシンキ大会以来となる男子100m日本代表「なし」となった。■函館では取材でレースを見ていた。それだけに山口国体で準決勝10秒16、決勝10秒14でロンドンオリンピック参加標準記録を突破したのは嬉しかった。■不本意なシーズンを過ごしてしまったものがリベンジを果たす姿を見せる機会でもある。春先、やや不調に見えた高橋萌木子選手も全日本実業団に続いて、内容ある走りを見せていた。意地とか、あるいはベタだけれど根性とか、魂の強さを見せられると嬉しいものだ。