日本新Week福島千里200でも2010/05/03 17:03

静岡国際陸上(3日袋井市)の女子200メートルで福島千里(北海道ハイテクAC)が日本新記録の22秒89で優勝した。これまでの日本記録は福島自身が去年6月の日本選手権でマークした23秒00。福島は先月29日、100メートルでも11秒21の記録を樹立。僅か5日間で2つの日本記録更新となった。▼22秒89は今季世界ランク8位(5月3日現在)、2009年世界ランキングの40位に相当する。☆タイトルはゴールデンウィークとダブルをかけてみた。

54歩の怪 福島の日本新2010/05/04 15:26

陸上の福島千里選手が100メートルと200メートルで自身の持つ日本記録を立て続けに更新した。200メートルは23秒の壁を破る22秒89。短距離競技で0秒1以上は「大幅」更新。昨年23秒00をマークした時は「22秒99にしてやってよかったじゃないか」と思ったのだが、22秒台突入の感激をあとの楽しみに残しておいてくれたのだなぁと思ってしまった。短距離は身体的特徴もありアフリカ系アメリカやカリブの人たちが優位に立っている。また、過去の記録にはドーピングの疑いを拭えないものもある。クリーンアスリートということでは間違いなく歴史的にもアジア最速級だし、カリブ、アフリカ系の人たちと互角に戦える世界最速の領域に踏み込むものだと思う。■シーズン開幕前、中村宏之監督は日本刀に例えて福島の持つ質の良い筋肉の話をしていた。不純物のない良質の鉄と火入れが切れ味の良い刀をつくるように福島の筋肉には不純物がなく、速く走るために無駄なく「鍛」錬され、不純物のない筋力がついた。見た目には短距離選手として華奢にうつるが筋量が増し肉体改造が進んだというのだ。筋量測定など数値的な計測はしていなが、150メートル走やマーキング走などトレーニング内容を見るとその変化がはっきりと現れてきていると見る。今季の記録更新について、筋力がアップに伴いストライド(歩幅)が約10センチ伸びる。そのことで100メートルの歩数が1歩減る。しかもピッチ(スイングスピード、足の回転速度)は減速していない、持ち味の接地時間の短さ回転速度の速さを保ったまま、歩数を減らせることかから100メートルで約0秒1、場合によって0秒2の記録短縮が可能だというものだった。■織田陸上で、福島は11秒21秒の日本新記録をマークした。中村監督の「予言通り」とも言えるが、一方で想定外の部分のところもあるのではと「?」も見つけてしまった。まだまだ完成型ではないのはともかく、実は広島のレースは上手くいかなかったのに、それでも日本記録を更新してしまった・・・というものではなかったかという「仮説」なのだ。

54歩の怪②福島の日本新2010/05/04 16:26

オフシーズンの肉体改造で、足の回転スピードを減速させずにストライドを伸ばす。100メートルで歩数が1歩減り、記録は0秒2程度短縮できるという仮説が現実のもとなることを4月29日の記録は実証したのか・・・。その視点から11秒21をマークした織田記念のレースを見直し、ある「驚き」を発見した。日本記録更新は歩数減少のためだと思い込んでいたが、29日のレースは減少どころか歩数は増えていた!のだ。■レースを見返したのは①2008年4月、11秒36の日本タイ記録をマークした織田記念。②③1日に2度日本記録を更新した2009年6月7日の布勢リレーカーニバルのスプリント記録会、11秒28の第1レースと11秒24の第2レース④11秒21の現日本記録をマークした先月29日の織田記念の4レース。■①②③のレースは歩数54歩丁度か、54歩目に決勝線を通過している。しかし、今年のレースはそれより多い55歩だった。記録短縮の要因は歩数減少だと思い込んでいただけにこの事実は驚きだった。■スイングスピードはどうか、終盤の20歩に要した所要時間は4つのレースすべて4秒09(誤差±0秒03、移動距離は未計測)と共通していた。レース前半とストライドの詳細は分析できていないが、レース終盤の20歩は今回、同じ所要時間で確実に長い移動距離を実現していると考えられる。にも関わらず歩数が増えている謎の答えはレース前半にあるはずだ。レース前半部に大きな変化があることは間違いない。ストライドは狭くなっている。そして足の運びはこれまでより速くなっている。■分析できていないのでここからは仮説になるが、新しいスタートと加速のスタイルを取り入れているのか、もしくは予選でスタートに違和感を感じていたようにまだスタートが上手くいっていないのかもしれないというものだ。もし、後者の本来のスタートでないまま日本記録を出したというのなら勿論、新スタイルの序盤を取り入れているのだとしたら、序盤の完成度の進展、もしくは修正点の改善によってまだまだ記録は伸びる。■レース構成で中間走以降の割合が増す200メートルで0秒1以上もの記録短縮を実現したことも理解できるし、スタートからトップスピードに乗るまでのレース立ち上がりの部分に大幅更新の余地がたっぷりあるのかもしれない。それにしてもスタートから加速していくパートでドンと抜けていく様子は現状でも図抜けているように感じるのだが・・・。そこにはまだ改善の余地が多く残されているというのであればこれは分析する面白さがタップリだ。大幅更新に夢が広がる。いったいどこまでの可能性を秘めているのだろうか・・・。

54歩の怪③福島の日本新2010/05/04 18:11

歩数が増えていても所要時間が短縮したのだからこれは必ずしも悪いことではない。スタート時、静止していた体を一瞬にして時速32キロ以上に加速するのだから、自動車のローギアのように、高い回転数とパワーが必要になる。パワー不足のケースでは加速のGに対して体が潰れた状況に陥ったり、足を前に出すスピードが落ちたりすることも考えられる。肉体改造によるパワーアップの効果は加速後の歩幅拡大以上に、レース前半部、特に立ち上がりのパートに出ていたのかもしれない。▼レース前半部で歩数が増えているのは必ずしも悪いことではない。一方で、ギアの回転数ではなく排気量アップなどエンジンそのもののパワーアップで速やかな加速を実現することも期待できるはず。歩数が増えたのは回転数のアップではあるが、歩幅が狭まっている。とはいえ、この歩幅は前半24歩の平均ストライドであって、検証サンプルとしてはアバウトすぎる。全くの見当違いかもしれないが、最初の1歩。2歩目から5歩目程度に違いがあったのではないだろうか。その最初の1歩。最初の数歩の状況が中間走などの最大ストライドに移行できるまでに影響を与えている可能性も考えられる。単にストライドだけの論点では最長ストライド走に移行するのが8歩なのか16歩目なのか。▼例えばスタート後の1歩目が大股になっているとしよう。その1歩だけを比較すと歩幅が稼げているが2歩目、3歩目への移行、体が起き上がり最大ストライドに移る動作に影響する。逆にその場で足踏みするような1、2歩目のスタートならば4、5歩めまでは歩幅が狭いだろうが加速力と最大歩幅への移行は早まるともいえるかもしれない。いずれにしてもスタート、前半部の回転数と歩幅がマッチングし、100メートルを53歩で走り切れば10秒台突入が実現するかもしれない。▼但し、この歩数の空想は結果から逆算した机上の遊興にすぎない。福島選手は感覚的にも優れたスプリンターでもある。結果から数値遊びをするのも楽しいが、数値外の夢を現実にする驚きに出会えるのを楽しみにしている。

上野樹里2010/05/05 01:26

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53歩2010/05/10 00:41

今回はほぼ53歩でした。8日(土)の国際グランプリ陸上大阪大会女子100メートルの福島千里選手の歩数です(53歩に近い54歩目でフィニッシュ)。寺田明日香選手もそうでしたが、新記録こそ出ませんでしたが、内容はかなり良かったのではないでしょうか。福島選手は11秒27、寺田選手は13秒13です。条件が揃って、いろいろなことがかみ合ってボーンと信じられないような記録がでることがあります。また好記録を出したもののその後、なかなか自分を超えられないということも。高い建物の階段の踊り場のように見た目は上昇していなくてもステップを上がっていくのに必要なことがあります。そういう点からも高いレベルの記録が当たり前のようにやっていけるというのは確実に次元が上がっているということなのでしょう。追風1.7メートルと向風0.1メートルの違いを考えればかなり100分の6秒差はないに等しいと思いました。

小掛照二さん2010/05/12 01:22

訃報が届きました。日本陸連名誉副会長で三段跳び元世界記録保持者の小掛照ニさんが9日夜、東京都内の病院で亡くなられたそうです。77歳でした。織田幹雄、南部忠平、田島直人で日本が3大会連続の五輪金メダルを獲得した「お家芸」三段跳びの継承者というだけでなく、現役引退後は日本陸連の強化委員長、副会長として日本陸上界の発展に尽力されました。南部陸上や北海道マラソンの創設に中心的な役割を果たし北海道の陸上界においても恩人といえる存在です。

北海道ハイテクAC2010/05/12 01:23

北海道ハイテクACのブログで紹介していただいたお陰でしょうか、アクセス数が飛躍的に伸びています。カテゴリー「福島千里」をクリック頂きますと過去の福島選手や北海道ハイテクACに関して記述した記事をまとめて見ることができます。◆たくさんのアクセスありがとうございます。◆他にも、いろいろなブログサービスで勝手なことを気ままに書いています。よかったらアクセスしてみてください。▼http://ameblo.jp/kita-fox-da/http://anakonda.exblog.jp/http://twilog.org/kita_fox_da

53歩②2010/05/12 15:54

調子に乗って(いい気になって)福島千里選手の歩数に関する続報を記します。5月8日(土)の国際グランプリ陸上女子100メートルで福島選手は53歩目が決勝線の2、30センチほど手前でした。シューズ片方分くらいです。従ってフィニッシュは53歩から重心を前に傾け54歩目に移行したところでした。殆ど53歩ですね。▼接地足の上に上体がある姿勢を基準にした53歩目までの終盤の20歩に要したタイムは4秒19(誤差±0秒03)でした。08年広島・織田陸上、09年鳥取、10年織田陸上の4つのレースすべてに共通していた4秒09という所要時間より約0秒1、多く時間を要しています。移動距離は計測できていませんが、おそらく移動距離は長くなっていると考えられます。20歩進むのに必要とした時間は増えていても、移動距離に対するタイムは同じか短縮していると考えるのが妥当でしょう。▼あくまでも机上の計算ですが、終盤20歩の所要時間が日本記録を出した時と同じ4秒09だったとしたらフィニッシュタイムは11秒17前後。11秒1台が実現していたことになります。▼ピッチ(スイングスピード、足の回転速度)が減速した要因はオーバーストライドによるものか、疲労なのか、それとも競り合いで生まれた心理的な影響なのかどうかは不明です。トップで「スーッ」と駆け抜けてフィニッシュしたレースと「固くなった」かもしれないというレースとで微妙な違いがあるのかもしれません。▼今回は歩数は減らしたが、回転速度はやや減速していたことになります。目指すレース像の完成には至っていなかったのかもしれません。それでいて向かい風で11秒2台ですからね。減速しないで52歩くらいはいけそうなので、現段階でもかなりの記録が実現可能な予感がします。因みにベロニカ・キャンベル・ブラウンは51歩目でフィニッシュしていました。▼100メートルは短いレンジですがその中にいろいろな組み立てがあるのでしょう。五輪や世界選手権で決勝に進出していく選手は、ラウンドごとに変わるメンバー構成やレース展開によって、自在にコントロールできる高い能力も備えているように感じます。なかなか奥が深いですね。まあ、小細工せずに圧倒的なスピードでいけるところまで行くスタイルが好きなのですけどね。最速を追い求めてほしいものです。

実におもしろい(カワレオ風)2010/05/13 02:06

アクセスランキングが11位になった。怖い。良くても精々100位までだったのに。普段は500位くらい。北海道ハイテクACの影響力の大きさを思い知る。寺田的陸上WEBにも紹介されている。過去の記事を読み直してみると誤字脱字なども沢山ある。気づいたら直すようにもしているが、気づいても放っておいているものもある。過去の記事は月別やカテゴリーでバックナンバーを見ることが可能。カテゴリー「福島千里」をクリックすると福島選手や北海道ハイテクACに関する記事が抽出される仕組み。■「カワレオ」とはフジテレビ系列で放送されている「レッドシアター」で「はんにゃ」の川島さんが担当している人気キャラクターの1つ。ドラマや映画で福山雅治さんが演じている「ガリレオ」をインスパイヤ(?)したキャラクター。