安心を届けたい ― 2011/03/23 23:11
23日、甲子園でセンバツ高校野球が始まった。「不謹慎」かもしれないが、ホッとする。そして、創志学園の野山主将の心にしみる選手宣誓。スポーツが不思議な力を持つのは古代オリンポスの祭典の例を引くまでもなく、魂、精霊に通じる、命の儀式の要素もあるからではなかろうか。■札幌ではホクレン陸上部の新年度に向けた会見が行われた。チームの顔でもある赤羽有紀子選手はクライストチャーチ、そして帰国後と立て続けに悲しい災害に遭った。新年度の会見には例年、出席しているが、今回は合宿中の徳之島から被災地を気遣う言葉と「自分自身が走れることに感謝しながら」目標に向かって、精一杯走りたいというコメントを寄せた。■新キャプテンは宮城県出身の鈴木澄子選手。競歩で世界ジュニア選手権6位の経歴を持つ。競歩で培った省エネ走法でマラソンでも着実に力を伸ばしている。「北海道の皆さんから応援していただけるように」と新キャプテンの抱負を語った。■会見の終盤、今回、震災に見舞われた故郷について質問された。震災の4日前まで宮城県下にいた。「見ていた景色が一変してしまいショックで信じられない」。家族に命を失った者はいなかったが不安の中で過ごしている。肉もない、魚もない、カレーのルーを薄めて食べている。荷物を送ろうにも営業所に行くガソリンもない、北海道はお魚もお肉もおいしい、届けられるか分からないが「母に何が欲しいか聞くと『安心が欲しい』という。家族にとっての安心は私がケガなく走り、チームを引っ張り、好結果を出すこと考え、集中して走るようにしている。一生懸命頑張っていきたい」と思いを噛み締めた。■新年度のホクレンはNECやコニカミノルタで活躍した太田崇がコーチに就任する。北海道出身の新コーチも迎えて、北海道に根ざし、北海道から元気を!というチームを目指す。
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