編集後記 ― 2011/10/27 03:56
ここ数年、スポーツニュース番組の監修のような仕事をちょくちょくやらせてもらっている。インタビュー企画のVTRのとき、その人の話しているところだけを繋いだものを上げてくる者がたまにいるが、そういうのはダメだと許さない。■なぜ今その人に話を聞いたのか、どういうテーマで話しているのか、何について話しているのか、前提条件や裏付け、どうしてその言葉が出てきたのか、そのコメントの生まれた経緯などを映像なり、グラフなり、ナレーションなり、視聴者との橋渡しとなる要素を盛り込まなければいけないと指示する。■「取材に行った君は、この取材をしようとした動機も、前後関係も、周辺の状況も分かっているかもしれないが、いきなり切り取られた会話を聞かされた方に伝わるかな。面白みが分かってもらえるかな?」と問いただす。限られた短い時間しかないから「少しでも取材相手、本人の声を聞かせたい」とか「蛇足になりませんか」とか「当事者の言葉の強さをシンプルにぶつけた方が効果的だ」とか、いろいろ考えを言ってくることもあるけれど、とにかくインフォメーション、補足をしろと主張している。■ところが、この前、私自身がインタビュー企画のVTRを担当することになったときのこと。自分の主張してきたことをあっさりと覆してしまった。インタビューの相手は陸上の福島千里選手。導入部で「陸上の福島千里選手に話を聞いてきました」と短くナレーションを入れたが、そのあとは全て福島選手が話しいる部分だけを繋げて放送した。成立している、視聴者にも伝わっているはずと思っているのだが、監修役がうるさい人じゃなくてよかった。
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