失望感を克服2011/03/17 13:43

陸上女子短距離、北風沙織選手に聞いた。まだ、被害の状況が分かっていない段階だったが取材に応じてくれた。地震は練習中に感じた。プロ野球の東北楽天に親交のある選手がいる。日本の女子短距離陣には福島県を拠点にしている選手も多く、心配したがチームの畑善子さんを通じてなど安否は確認できたという。ニュースに触れて心を痛めている。■北風沙織選手は2006年のアジア大会陸上女子短距離の日本代表。左足の疲労骨折の痛みを押して戦い、翌2007年は世界陸上選手権にも出場した。痛みをごまかしながら2008年の北京五輪選考会まで走り続けた。■もやもやして走れないのならと手術に踏み切った。「手術すれば『思い切り走れる様になる』ということだったんですよ」。今では笑顔を交えながら話すが、痛みは取れず、1時的に復帰した2009年には400メートルリレーの1走をつとめ日本記録に貢献したが、再び手術。更に感染症にかかりいつまでたっても走れるようにならなかった。予想外だった。「何で」「こんなはずじゃなかった」と気持ちも塞ぎこんでいった。「もう止めてしまおう」と悩んだ。■自分を見失いかけたが「やっぱり陸上が好き」と痛みが引かなくてもできる限りのことをやろうと昨シーズン復帰、日本選手権の決勝にも進出した。北海道ハイテクACのチームメイトの福島千里、寺田明日香と2012年のロンドンオリンピックを目指す。ロンドン開幕まで500日に当たる日は北京オリンピック開会式からは950日。北京五輪はスタンドで見た。予想外のことで失望することの多かったこれまでの1000日を越えて、これからの500日は希望をみつめて前に進む。【追記3.19】北海道ハイテクACは21日(月・休)に大地震復旧支援の義援金募金活動を札幌駅前通地下歩行空間北3条広場で行う。

ジャンプ、距離大会中止2011/03/17 20:13

既に決まっていることだが、今週行われる予定だったスキージャンプの伊藤杯ナイター、クロスカントリースキーの全日本選手権も中止。(以前のブログで予告していたので念のため)

4月12日パ・リーグ開幕2011/03/17 20:28

プロ野球、パリーグの開幕が4月12日に延期になった。それだけ甚大な災害ということだ。セリーグは予定通り25日に開幕する見込み。どんな状況でもやろうという気概も、今はやれる状況ではないというのも、どちらも間違いではない。開幕日は別々になったが、未曾有の危機を乗り越えるために、元気な日本を取り戻すために、状況が悪化しないことを願う。【追記】セリーグの開幕もパリーグと同じ4月12日となった。26日の12球団のオーナー会議で正式に決定。セリーグの開幕を巡っては25日、29日と方針が二転三転した。クライマックスシリーズ、日本シリーズも実施する。日本シリーズは2週間延期し11月12日から。大きな被害を受けた楽天本拠地ゲームなどリーグ開幕後の日程も今後調整、随時発表される。

One’s Handsプロジェクト2011/03/18 21:35

【全日本スキー連盟】アスリートたちが発起人となり全日本スキー連盟が展開している「I LOVE SNOW」キャンペーンを旗印に、「I LOVE SNOW」One’s Handsプロジェクトを立ち上げ、被災地へ向けた支援活動の一環として救援物資の募集を実施することになった。⇒http://www.ilovesnow.jp/ones_hands/index.html【日本スケート連盟】義援金の協力を呼びかけている⇒http://skatingjapan.or.jp/

PRAY & Play for JPN2011/03/18 22:28

プロ野球、北海道日本ハムファイターズ、および阪神タイガースは20日、21日の両日、札幌ドームでのオープン戦を東日本大震災の救援活動・復旧支援チャリティー試合として開催する。■サッカーJ2のコンサドーレ札幌と選手会は19日午前11時から、札幌駅前通り地下歩行空間で「東日本大震災災害義援金」募金を行う。

さよならマリシュ2011/03/21 01:25

スキージャンプのワールドカップ、今季の全日程が終了した。個人最終戦はカミル・ストッホ(ポーランド)が優勝した。そして、3位には今季限りで引退するアダム・マリシュ(ポーランド)。何度目の表彰台なのだろ(まあ、調べればすぐ分かるけど・・・)。■マリシュは今季開催された全ての試合に出場している。今季限りで引退することは2年前に決めていたというから、自分の中で世界各地のジャンプ台やファンに別れを告げる1年だったのか。■今年1月のワールドカップ札幌大会。マリシュは3位になった。ここ数年、五輪や世界選手権などに備えて、日本での大会をスキップする(欠場して休養や調整にあてる)ことが多かったこともあり、「世界選手権(オスロ)に備えて休む選手もいるが、今回の来日の意味、狙いは?」という質問があった。マリシュは少しとぼけた様子で「日本には何度も来ていますよ、このところ来日してなかったかもしれないけれど、まあ、年齢(トシ)のせいかな」というように答えていたような気がする。■無名時代、当時最強だった日本に学ぼうと白馬で夏合宿を行い、岡部のジャンプが理想と追い求めた。五輪、世界選手権を通じて4つの金を始め10個(金4、銀4、銅2)のメダルを獲得、W杯では個人戦通算39勝、2000/2001季から3季連続と2006/2007季の合わせて4度総合優勝に輝くなど歴史に残る屈指の名ジャンプ選手となった。■世界選手権の金メダルの1つは日本の宮の森で獲得している。今年、来日の意味と狙いを聞かれたとき、マリシュがとぼけてみせたのはまだ僕らには「さよなら」を言えなかったからか。■W杯表彰台は92回、その中には4勝を含む日本での5回の表彰台が含まれている。

安心を届けたい2011/03/23 23:11

23日、甲子園でセンバツ高校野球が始まった。「不謹慎」かもしれないが、ホッとする。そして、創志学園の野山主将の心にしみる選手宣誓。スポーツが不思議な力を持つのは古代オリンポスの祭典の例を引くまでもなく、魂、精霊に通じる、命の儀式の要素もあるからではなかろうか。■札幌ではホクレン陸上部の新年度に向けた会見が行われた。チームの顔でもある赤羽有紀子選手はクライストチャーチ、そして帰国後と立て続けに悲しい災害に遭った。新年度の会見には例年、出席しているが、今回は合宿中の徳之島から被災地を気遣う言葉と「自分自身が走れることに感謝しながら」目標に向かって、精一杯走りたいというコメントを寄せた。■新キャプテンは宮城県出身の鈴木澄子選手。競歩で世界ジュニア選手権6位の経歴を持つ。競歩で培った省エネ走法でマラソンでも着実に力を伸ばしている。「北海道の皆さんから応援していただけるように」と新キャプテンの抱負を語った。■会見の終盤、今回、震災に見舞われた故郷について質問された。震災の4日前まで宮城県下にいた。「見ていた景色が一変してしまいショックで信じられない」。家族に命を失った者はいなかったが不安の中で過ごしている。肉もない、魚もない、カレーのルーを薄めて食べている。荷物を送ろうにも営業所に行くガソリンもない、北海道はお魚もお肉もおいしい、届けられるか分からないが「母に何が欲しいか聞くと『安心が欲しい』という。家族にとっての安心は私がケガなく走り、チームを引っ張り、好結果を出すこと考え、集中して走るようにしている。一生懸命頑張っていきたい」と思いを噛み締めた。■新年度のホクレンはNECやコニカミノルタで活躍した太田崇がコーチに就任する。北海道出身の新コーチも迎えて、北海道に根ざし、北海道から元気を!というチームを目指す。

ステッカー2011/03/24 18:13

タクシーの中にあったプロ野球開幕を予告するステッカー。斎藤佑樹投手と中田翔選手。3月18日撮影

普遍的なもの2011/03/25 22:53

2009年11月に放送された「雨はすべてを洗い流す」が再編集され札幌市内のシアターキノ(市民出資のNPO映画館)で上映された。■後藤ディレクターから上映案内のチラシをもらったときには「プロ野球の開幕日で劇場にはいけないな」と思っていた。それが3月11日の震災で日本中が大変なことになってしまい、プロ野球開幕もセパ両リーグとも4月12日なった。■「雨は・・・」は旭川を舞台に在宅死を迎える4人の末期ガン患者と残される家族たち、それを支える訪問医師の姿を追ったドキュメンタリー。亡くなった娘の骨を抱えて、函館、青森、山形を鉄路で旅する老いた父親の姿も描かれている。■上映後、ティーチインのゲストでマイクを持った後藤ディレクターは「番組を制作した当時はリーマンショックや何やらで世の中、絶望的になっていた。だったら必ず訪れる死を見つめ、終わりの中に希望を見いだせないかと考えていたのだけれど・・・。どうなんでしょう、今、大震災や原発事故という大変な状況の中で、死をテーマにした作品を上映するのはね。とも思ってしまうし、見ている方にとってもどんな風に見えたのでしょうか」と話す。■私は救われた心境だった。細かな言い回しは少し正確ではないと思うが、医師が「終末医療は病よりもその人の人生を見つめなければならないがそれができていない」と自戒する。また「患者の苦しみの方を向いてしまうが、看取る者、残された者の悲しみや苦しみもある」という趣旨のことを話す場面もある。そして、青々と伸びる水田の稲や雨、ラベンダーの花という景色の中に無名の市民が確かに生きてそして亡くなっていく様子が映し出されている。■今、どうしようもなくどんよりと気が重く、閉塞感の中で、人生のありようを確認することの意味は大きい。人間の尊厳は普遍的なものだと思うから。■3月25日は私にとっては特別な日でもある。その日にこの作品を見た偶然も何か不思議な感じを抱く。■2009年11月のブログ⇒http://kondahomare.asablo.jp/blog/2009/11/28/4724498

共に進もう2011/03/26 23:12

広がる支援の輪。北海道内スポーツ界も義援金を呼びかけるなど動き始めている。■選手の募金は北海道バスケットボールクラブ(16日に札幌中心部&19日札幌駅前通地下空間ほか)、サッカーのコンサドーレ札幌、フットサルのエスポラーダ北海道、女子サッカーのノルディーア北海道のフットボール3団体(19日札幌駅前通地下空間)、更に福島千里選手ら陸上の北海道ハイテクACの選手、スタッフ(21日札幌駅前通地下空間)も義援金を呼びかけている。■20日、21日の両日に行われたチャリティ試合の際にも募金を行ったプロ野球、北海道日本ハムファイターズは22日の札幌市内ほか、札幌ドーム以外でも協力を呼びかけている。25日の苫小牧はアイスホッケーの王子イーグルスとダッグ組んだほか、28日に旭川で予定されている募金活動ではカーリングのロコ・ソラーレと共同で支援を呼びかける。旭川会場では防災に関するセミナーも開催する。■26日はアルペンの湯浅直樹がテイネスキー場でこどもスキー大会の前走をつとめ募金を呼びかけた。27日にはJR北海道の野球部とスキー部。4月2日(土)には札幌のジャンプ、複合の選手たちが募金を行う予定だという。【3.29項目分け】