高木美帆も募金呼びかけ2011/03/26 23:12

「笑顔を取り戻す力になりたい」。スピードスケートの高木美帆選手は街頭に立って募金を呼びかけた。■帯広南商業高校の生徒有志が26日、帯広市内5カ所で東日本大震災の復興を支援しようと募金を行った。高木美帆選手も有志に加わり、帯広駅前で約2時間、協力を呼びかけた。日差しは春のそれに変わってきてはいるが、この日の帯広の最高気温は6度と屋外に立ち続けていると冷える。「あら、ミホちゃん!」と足を止め握手を求める市民の姿も見られた。■「被害の大きさが日に日に分かり恐怖さえ感じる、被災地は私が想像している以上に大変だと思う」。できることはないかと考えていた。帯広南商業高2年生の生徒が募金活動を発案し、生徒会や多くの生徒たちに輪が広がった。同校1年の高木もぜひと参加した。地元でも高木の知名度は抜群、足を止める人の反応について聞かれると「スケートをやっていたことが支援協力の呼びかけに役立ったのだとしたらその点でもスケートに感謝したい。これからもできることをやっていきたい」「少しでも早く、多くの方に笑顔が戻ることを祈っています」と話した。【3.29道内スポーツ募金活動を別項へ】

1つ1つやるだけ2011/03/17 00:24

15日に帰国した日本スピードスケート界のホープ高木美帆選手に聞いた。11日の地震はドイツ・インツェルで行われていた世界距離別選手権の女子1500メートルの朝だった。■インツェルの町は穏やかで美しい。(こんな平穏な中でスケートをやっていても)「いいのかな」と思ってしまうほど。海外のスポーツ関係者は友人を襲った災いに心を砕き「ミホ、君のファミリーは大丈夫なのかい」と気遣いの言葉をかけてくれる。会場では日本の犠牲者に黙祷も捧げられた。■日本選手、スタッフの中には東北の出身者、関係者は多い。無事の連絡はほどなくつき、一安心はできたが、ドイツでも被災の様子は報道されていて、心は痛んだ。■2010年のバンクーバー五輪では多くの人の応援に力をもらった高木。東北地方のリンクで滑った思い出もある。ミーティングをやった訳ではないが、「日本」代表という気持ちは高まり、「スケートをやるしかない」と意思は強まった。それだけに世界の力に跳ね返された悔しさは大きい。■高校1年生では寄付など経済的な支援活動は何もできそうにないが「スケートでも、勉強でも、1つ1つ一生懸命やっていこうと思う」と前向きに生きることが、応援へのお返しと考えている。【世界距離別選手権3/10-13独Inzell】加藤条治が男子500mで2位。穂積雅子が女子5000mで4位。女子団体追い抜き(チームパシュート:石野、穂積、高木)で4位と健闘した。【追記3.24】帯広南商業高校の有志が26日、27日の両日、帯広市内の街頭に立ち募金を呼びかける。高木選手も参加する。

1位で締めた高木美帆2010/12/30 17:41

2010年最後のレースを高木美帆は第1位で締めくくった。「2010年は初めてのオリンピック、初めてのワールドカップ遠征、いろいろな国を転戦していろいろなレースを経験できた。長く感じたが、その分充実していた」と丁度1年前の五輪選考会から激変した1年を振り返った。■2010年の締めくくりのレースとなったのは28日、29日の両日、盛岡県営スケート場で行われた全日本スプリントの4種目目、女子1000メートルの第2レースだった。初日は500が3位、1000が2位で総合3位で折り返したが、2日目の500メートルは立ち上がりの加速から上手く行かず、追い風を受けるバックストレッチ、コーナー、そして立ち上がりも伸びを欠き4位と課題を残すレースとなった。■そして迎えたのが女子1000メートル。総合首位の小平奈緒選手との同走。大会前には「最後のレースはしっかり滑ってスッキリ年を越したいね」と友達とも話していたという高木選手。第一人者の小平選手の姿を追って諦めず、最後まで足を使って滑り切った。疲れ知らずの16歳!若さの特権とも言うべきか、攻め続けるレースで力を出し切った。「もう少し落ち着いて滑っても良かったのかな、タイムの上でも雪の降っていた昨日以上のものを出したかった」とまだまだ満足するわけにはいかないが、結果は選考会以来の1位※。一番上の順位に「凄く嬉しい」と微笑む。■2日間大会の4レース目、最後のコーナーで向かい風を受けるコンディションの外リンクで、インスタート&イン上がりという条件ではあったが、そうしたチャンスに諦めずに攻めきることができるところも素晴らしい。■2010年はスポーツファンにとっても高木選手のおかげで充実した1年になった。バンクーバーオリンピックの盛り上がりに果たした役割の大きさを否定する者はいない。■最下位に終わったデビュー戦。100分の1秒の差と世界に挑む日本スピードースケーターの熱いハートに動かされた五輪。そして中学卒業と高校入学。フォーム改造とスケートトレーニングに打ち込んだ夏。初めてのワールドカップでは世界のトップ選手の姿を更に間近に感じ、「これはやれるかも」と道筋と手応えも掴んだ。■まだまだ開発途上のヒロインの可能性に夢が広がる。2010年を見る者にとっても充実した1年にしてくれた高木美帆選手に感謝するとともに、更に飛躍していく姿に声援を送りたい。◆画像は全日本スプリント女子1000m2ndレース表彰(左から)小平奈緒、高木美帆、仁科有加那※<選考会以来の一番上>本人談。アジア距離別選手権やW杯Bでの1位はあるが、小平を含む全日本級、および世界トップ選手の中での1位は1年振りと言う意味か。【加筆1月1日】2010年のブログ1回目を振り返って見たら高木美帆選手の話題だった。ブログの締めも高木選手。高木美帆に始まり高木美帆で締めた。

淋しい2010/12/29 19:45

スピードスケート全日本スプリントで初優勝した小平奈緒選手。優勝が確実視される中で勝つことの感想を聞かれ「淋しい」と答えた。「私は皆さん全員とハグして回りたいくらい嬉しいのに・・・」周囲は優勝しても当たり前のような空気、リアクションの薄さに切なさを感じたよう。小平選手はそんな、淋しい告白に続いて「福島さん」と陸上女子短距離の福島千里選手の名前を出した。■スケートの会場でチャンピオンが口にした名前を、始め陸上のスプリント女王と一致させられなかったが、「福島さんは勝っても、良い記録で走っても、新記録じゃないと『残念ですね』と言われてしまった」と続けた話の中身は紛れもなく福島千里選手のことだった。小平選手は「福島さんや(浅田)真央ちゃんとか、強い人には強い人たちの大変さがあるのだなというのを知ったので、(この淋しさが勝つことが当たり前と思われるようになったというものなら)そうした人たちの姿を励みにしたい」と話した。■視線は世界に向いている氷上のNo1スプリンターは陸上のスプリンターの姿にチャンピオンの持つ孤独な一面を感じとっていたのだろうか。◆画像は全日本スプリント女子総合2位の高木美帆、優勝の小平奈緒、3位辻麻希(左から)▼▼「淋しい」その②▼▼小平選手が淋し気に話したことがもう1つあった。■スピードスケートの女子500メートルでバンクーバーオリンピックに出場した選手(岡崎、吉井、小平)のうち今季試合に出ているのは小平ただ一人。自分が日本のスプリントを牽引していくという自覚と誇りはあるが、世界と戦うためにもっともっと高いレベルで戦いたいと漏らした。ジュニア時代に注目されながら不振が続いていた辻麻希の活躍や高木美帆の頑張りは歓迎材料ではあるが、もっともっと層も厚く、上に行かなければと高い理想を掲げている。■バンクーバーまでは結果に直結するものを求めて結果も出してきたが、これからのシーズンは、近道をせず、時間のかかることにもじっくりと取り組んで行きたいと世界挑戦への強い気持ちをのぞかせた。【30日加筆】

穂積雅子優勝2010/12/20 01:59

スピードスケートの小平奈緒と穂積雅子。2人は初めて出場したバンクーバー五輪で個人2種目に入賞し、銀メダルを獲得した団体パシュートでチームメートだった。19日の全日本選手権最終日、1500メートルで2人は同走となった。前日、500で小平がトップタイムを叩き出せば、3000メートルでは穂積が1位をとる。■1500メートルは1000メートルをメインとする小平と3000メートルを得意とする穂積の間の距離。同組の争いはおもしろい。小平はアウトスタートで先行型。インスタートの穂積は最後まで小平の視界に入ることはなかったが、ひたひたと追い上げた。1500メートルだけでは小平が1位。穂積3位。残り1種目、5000メートルを残して小平総合1位をキープしていたが、小平の今大会の狙いは選手権ではなく、1500メートルでの今後の大会への出場権ゲットだったので、5000メートルは予定通り欠場。穂積は5000メートルを圧勝して総合優勝を手にした。■ちなみに1500メートルの2位は高木美帆。小平が欠場し総合優勝争いへの興味が薄れかける中、高木の挑戦が興味をつなぎ止める。橋本聖子さんの記録を抜く最年少での全日本選手権制覇はなるのか・・・。しかし、試合では「初めて」の5000メートルは頑張ったもののレースにはならず総合で2人に抜かれ4位に終わった。更にちなみに表彰式の贈呈者は橋本聖子さんだった。■総合優勝の穂積は偉大な先輩方がとったタイトルを手にし嬉しいと語った。

総合力!2010/12/18 14:15

短距離から長距離まで、2日間で4種目を滑りタイムをポイントに換算した総得点でチャンピオンを決めるスピードスケートの全日本選手権。18日と19日の2日間、北海道釧路市で開催されている。女子はバンクーバー五輪団体追い抜き(チームパシュート)銀メダルメンバー、短距離系の小平奈緒と長距離系の穂積雅子、さらにスピードスケート界のホープ・高木美帆の3選手の滑りに注目があつまる。初日、最初の種目500メートルは小平奈緒が1位。高木が2位という「滑り」出し。続く2種目目は3000メートル、こちらは穂積がトップのタイムを叩き出した。2種目を終えた得点は小平1位、穂積2位。その差は僅か0.432。橋本聖子の持つ記録を破り全日本選手権最年少優勝を狙う高木は3位につけている。明日、1500、5000でどんな展開が待っているのか・・・。屋外リンクの影響を受けるかもしれない。場所が釧路。サラエボ銀メダリストの地元である。

メインはミポリンだから2010/12/13 01:44

表題の「メインはミポリンだから」とは長島圭一郎選手の言葉。スピードスケートのワールドカップ帯広大会で取材陣から「地元の期待に応えなければというプレッシャーはなかったか」と聞かれて発した言葉。高木美帆選手に注がれる注目度の高さを汲んだコメントをしてニヤリとした。バンクーバー銀メダリストは「僕は気楽にやってます」と続けた。今シーズンは(周囲に)惑わされることなくできているという。理由は「自分のことでいっぱいいっぱいだから」だそうだ。■さて、この日のミポリン、女子1000mで同組で滑るはずだった李相花選手が1000mへの出場を取りやめてしまった。楽しみにしていた対決が見られず残念。本人は序盤の入りが遅かったと反省。500メートルはこのリンクでの自己最速。W杯では自己最高の4位に入った初日の1000mも含め2日間4レースを振り返り「波がある」と課題を挙げた。良いレースができた点は「(地元)帯広だからかな」と小中学校の頃からの友人や遠くから駆けつけた親戚、知人の応援に感謝した。■最近、「留守番」的な担当が多い、本社に残って送られてくる情報を受け取りまとめる。斎藤佑樹投手の日本ハム入団会見もワールドカップも現場ではなく留守番組。イマジネーションを豊かにすることをこころがける。現場以上に現場の状況を把握する透視力、洞察力を鍛えなければと思う。■男子500m加藤条治が優勝し世界ランク①位に立った。長島圭一郎、小平奈緒は連日の表彰台。帯広出身、ジュニア時代に注目されながら伸び悩んでいた辻麻希が女子1000mで表彰台に上がった。(13日午後追記)

金メダリストと直接対決/高木美帆2010/12/12 12:43

何という粋な演出(?)か。スピードスケートのワールドカップ(W杯)帯広大会2日目の組み合わせ(Draw)のこと。女子1000メートルに出場する高木美帆は李相花(韓国)と同じ組だ。李相花はバンクーバーオリンピック女子500メートルの金メダリスト。女子スピードスケートで韓国に初の金メダルをもたらした。今季のW杯も11日の帯広大会初日を含め500メートル優勝3回と世界屈指のスプリンターだ。■1000メートルでは日本の小平奈緒の方が格上だろうが、金メダリストとの同走は楽しみだ。スタートからの加速を課題にし、後半の落ち込みが少ない高木にとって絶好の対戦相手だ。前半のスピードにどれだけついて行けるか、終盤、逆転はあるのか。李との直接対決のできによって高木美帆W杯初の表彰台への道が開かれる。■男子500メートルの太田明生は2日目も日本人と同じ組。前日の銀メダリスト長島に続き、12日は加藤条治と同じ組だ。「もってる」男になれるのか・・・。【変更追記(13日)】帯広大会2日目女子1000mに出場を予定していた李相花(韓国)は出場を取りやめた。そのため高木美帆(帯広南商高1年)と同組の滑走者はLauren CHOLEWINSKI(USA)に変更になった。CHOLEWINSKI選手は当初1組を単走する予定だった。カテゴリーAでの出場ではあるが今季W杯女子1000mのランキングはベスト30入りもしていない状況。高木選手にとっては競り合うレースは望めなかった。

持ってる男を狙っていたが2010/12/12 05:42

銀と銅、2つのメダルを獲得しスピードスケート男子500mお家芸復活を印象づけたバンクーバーオリンピック。大会前は長島圭一郎、加藤条治の2大エースと並んで、トリノ最高位の及川佑や初五輪代表ながら勢いのある太田明生のメダルを予想する人もいた。確か大会直前の会見で、太田は「日本が表彰台を独占するので僕は4位でしょう」というような発言をして笑わせた。及川、長島、太田は十勝管内池田町にある池田高校の出身。当時、スケート部の顧問をしていた野村、後藤両先生から話を聞かせてもらったことを思い出す。太田は網走出身だが、町の催しに招かれ先輩2人とそろって出席することもあり、高校時代を過ごした池田町の人気者でもある。■11日のワールドカップ帯広大会。「実績のない自分は五輪明けのシーズンから存在を示していかなければならない」と長島と同じ組となった地元W杯を「目立つ」絶好のチャンスと狙っていた。勝っていれば「持ってる」というこになったのだが、と悔しがった。「銀メダリストは簡単に勝たせてくれない」と先輩の長島に脱帽した。■W杯帯広:男子500mで②長島圭一郎③太田明生。女子1000m②小平奈緒と3人表彰台。高木美帆がW杯自己最高の4位と活躍し16年振りの道内開催を盛り上げた。

故郷は良いな!2010/12/11 00:56

スピードスケートのワールドカップが明治北海道十勝オーバル(所在地は芽室町、管理は帯広市)で行われる。北海道内で行われるのは16年ぶりだという。男女とも500メートル、1000メートルの短距離種目。バンクーバーオリンピックに出場した長島圭一郎、加藤条治、及川佑、太田明生、小平奈緒、高木美帆らが出場する。■前日の会見で小平は「オリンピック後のシーズンで各選手、ゆっくり気味かと思ったがシーズンが始まってみるとカナダの選手を始め、高いレベルの試合をしている。先週今季初の表彰台に立ったが、今回は優勝のチャンス。来日していない強豪の選手もいるが、そうした選手がいても勝てるくらいのタイムで滑りたいと語った。■帯広南商業高校に進学後最初のシーズンとなる高木美帆は初のワールドカップ転戦は大変なこともあるが、1000メートルで自己ベストを出すなど収穫もある。地元での大会参戦について「故郷な良いな」と話した。